ここまで根室本線・花咲線・釧網本線・石北本線と乗ってきましたが、
車窓から見えた風景は湿原や原野などの平たい土地でした。
そもそも道東は十勝平野や釧路湿原など平らな土地が多いですよね。
では、北海道には本格的に山の中を走る路線はないのかと言うと、
答えは「No」・・・実は北海道にも「山線」と呼ばれる路線があります。
今までは山間部に入ってもせいぜい数駅で平野部になってしまい、
本格的にひたすら山の中を進む路線はありませんでした。
しかし一方で「山線」はその名の通りで、そんな名称で呼ばれています。
それは北海道は西側、道内中心都市の札幌を経由する函館本線。
その中でも「山線」とは長万部~小樽間のことを指しています。
一般に普通列車しか走っておらず、他の区間とは異なりローカル線です。
さて、小幌駅探訪を終えてから後は札幌からはまなすに乗るだけ。
そして東北本線・水郡線・常磐線で東京へ戻って終わりとなります。
ここ礼文華まで来るのに行きは千歳線・室蘭本線経由でしたので、
帰りはそんな「山線」を経由して札幌に戻りたいと思います!
というわけで、前回の続きは遂に北海道離陸です・・・
【第6日目 8/30(Tue)】
小幌14:57~(室蘭本線 普通 長万部行き)~15:14長万部
長万部16:33~(函館本線 普通 小樽行き)~19:13小樽
<小樽駅周辺散策>
小樽20:41~(函館本線 普通 岩見沢行き)~21:29札幌
札幌22:00~(急行はまなす 青森行き)~05:40青森
■キング・オブ・秘境駅3
小幌駅散策を一通り終えてホームで列車を待っていると、
やがて接近放送が鳴りトンネルの奥から4つのライトが見えました。
これで小幌駅探訪は終わり。駅ノートを見にまた来たいものです。
入線してきたのは・・・やっぱり案の定キハ150系の1両編成。
運転手・乗客共になにやら好奇の目がイタイ・・・^^;
こんな山奥の駅からなんて乗ってくるのは確かに奇妙ですからね・・・
列車は礼文華峠を越え、国道を挟みながら海岸沿いを走っていきます。
ここから後は札幌まで戻って急行はまなすに乗り北海道を離れるだけ。
行きは千歳線・室蘭本線経由だったので、帰りは函館本線経由です!
しかし函館本線は函館本線でも今回乗るのは通称「山線」と呼ばれる、
長万部~小樽間の普通列車しか走っていない区間に乗車します。
因みに函館本線の「山線」区間は一般に普通列車しか走っておらず、
長万部からは2・3時間に1本の間隔で発着しています。
とりあえず、まずは山線の始発駅である長万部へと向かいます。
■北海道の山岳地帯
キハ150系 16編成
長万部に到着です。が、なんと乗換え時間が1時間半近くも・・・(汗)
特急列車や寝台列車も停まる長万部ですが決して大きいわけではなく、
名物なら駅から少し離れたところに昨夜泊まった長万部温泉郷や、
駅前に「かにめし」で有名な「かなや本店」の店舗があったりするだけ。
駅前も少し住宅街が続いていて、結構こじんまりとした雰囲気です。
なので列車はまだ来ないし特にやる事もなく、とりあえず改札外に出て
待合室の売店で買ったポテチを食べつつ1時間半を潰します。
まあそれにしても人はたくさんいるのに列車は全く来ません。
列車待ちはなかなか旅らしいですが、こうやる事がないともう退屈・・・
結局、友人とぐだぐだ話しているとやがて乗る列車の改札が開始。
これまたこじんまりとした1つだけの窓口の友人改札を抜けて、
跨線橋を渡って一番奥の函館本線ホームへと向かいます。
そこに止まっていたのは・・・またまたやっぱりキハ150系でした(笑)
進行方向右側のボックスシートを確保して発車を待ちます。
やがてほぼ満員状態となった列車は長万部を定刻通りに発車、
室蘭本線とは分岐して一路とことこ北へと向かうようになります。
ここからは函館本線でも「山線」と呼ばれている区間に突入して、
この区間からはその名の通りに『北海道の山岳地帯』を走ります。
まもなく道央自動車道をくぐって田園風景の中を進んでいくと、
すぐに両サイドを山に囲まれて風景は山に囲まれてしまいました。
今まで通った道東は湿原や平原が多く平地ばかりでしたが、
一方山線は『北海道の山岳地帯』がよく見られる車窓になっていますね。
それでもさすが北海道、山の中腹でも土地を切り開いていて、
少しでも農耕面積を増やそうとしている努力が見受けられます。
するとやがて長万部の次の街は黒松内に到着します。
まあそれにしてもここまでの車窓はまさに田舎という雰囲気。
今までは「北海道!」という感じでしたが、山線は家が点々と建っていて
その近くには畑や田んぼや牧場と「田舎だねぇ」という感じがします。
(そのため?山線では結局あまり車窓を撮影していませんm(_ _)m)
黒松内を発車するとすぐに線路は大きく山を避けるようにカーブします。
山が横に細長く鋭い形のためにカーブの半径はかなりの角度。
そのカーブを抜けてしばらく落ち着くと熱郛に到着します。
因みに「熱郛」と書いて「ねっぷ」。なかなか難読駅名ですねぇ~
まだまだ列車はさらに山の間を縫うように進んでいきます。
ここまで来ると連続S字カーブや本格的に山の中を走ったりと、
いよいよ「山線」と呼ばれるが所以の山間部の様子が見られます。
その風景はかなり続きますが、しかしやがて山は突然ひらけます。
とは言っても尻別川の途中にある小さな盆地。
列車は盆地に入ると速度を落とし、2つめの街は蘭越に到着します。
因みに蘭越発着の列車があるほどでなかなか大きい街のようです。
乗客を少し乗せて列車は足早に発車して行きました。
ここからは尻別川に沿って列車は進んでいきます。
しかし尻別川はなかなか短い距離の川で、並走は隣駅の昆布まで。
昆布に到着する頃にはだいぶ小さな川になってしまいました。
そんな昆布駅、なにやら街灯がオシャレですね(笑)
実は駅の電灯は西洋チックのものになっています。
しかし駅舎はいたって普通で、周囲には温泉郷があるものの無人駅。
特に理由もなさそうですが電灯だけが西洋なのは何故でしょう(苦笑)
疑問を残したままですが列車はまた山を縫うように蛇行しながら進むと、
ニセコリゾート地の玄関口であるニセコに到着します。
実は、進行方向左側にはニセコアンヌプリ山がそびえ立っていて、
この近辺の麓には温泉郷・リゾート地がいくつも点在しています。
近い昆布・ニセコ・比羅夫は、そのため玄関口として機能するわけです。
因みに進行方向右側にも標高1898mの羊蹄山もそびえ立っており、
そちらへの観光の足とも機能しているようです。
比羅夫を発車すると列車は川と並走するようになります。
実はこの川、さっきもう途絶えたと思っていた尻別川なのです。
川幅が旧に狭くなっていたようで・・・溢れないのかな?って思ったり(汗)
しばらくそんな尻別川と並走すると、倶知安に到着します。
あ、「倶知安」と書いて「くっちゃん」ね。これは意外と有名かも。
さらに、倶知安は2015年開通の北海道新幹線の停車駅にもなる予定!
そういえば北海道新幹線は山線経由で新青森まで繋がるんですよね。
その内の倶知安、さすが駅前はなかなか栄えています。
ホームでは帰宅する学生が大量に集まっていました。
あっという間に乗車率は100%超え。さすが新幹線停車予定駅です・・・
さて、倶知安まで来るとこの「山線」も中間地点になります。
列車は学生を大量に乗せて、再びすぐに山間部へ突入します。
本当に山の中で田んぼや畑などほとんど見当たりません。
山の木々をかき分けて進む・・・まさに『北海道の山岳地帯』ですね!
やがて列車は銀山に到着します。
すると進行方向右側には田んぼがあり、川が流れていているようです。
実はこの川は終点の小樽も面している石狩湾に流れ込む余市川で、
だんだん終点の小樽が近づいてくるような気配が感じられます。
銀山を発車するとすぐに川幅は大きくなり然別を発車する頃には、
山間部を抜け平野部になり本格的に石狩湾が目の前になってきました。
平野部なのでさっきまでとは打って変わって田んぼが多くなります。
そんなどことなく懐かしい感じの田園風景を眺めていると余市に到着、
本格的な「山線」区間はここまでで終わりになります。
さあ終点の小樽ももう目の前です!
■やっぱり本場のジンギスカン!2回目
(写真はデータ破損により去年の使いまわしです・・・m(_ _)m)
余市を発車すると列車は大きく右へカーブし、海岸線に沿って進みます。
まあ少し遠めに海が見える程度で、さらに暗くてよく分かりません。
北海道は朝は早いですが夜もその分早いのが難点なんですよね・・・^^;
しかし、やがて沿線には住宅の明かりがぼちぼち見えるようになります。
それはだんだん数を増して、列車もだんだんと速度を落としてきました。
そうです、全て小樽市の住宅街の明かり。もう終点が近い証拠です。
そして列車はゆっくりと、小樽へと入線していきました。
というわけで、小樽に到着です!!
小樽に来るのは去年に急遽予定を変更して来た以来ですかね~
ここから後は乗り換えて札幌に戻るだけですが、夕食がまだです。
調べたところ、はまなす発車の30分前着だと小樽の滞在時間が1時間、
すなわちちょうど『小樽で夕食が食べられる』ということが分かりました。
(実は行きを千歳&室蘭・帰りを山線経由にしたもう1つの理由で・・・)
小樽で夕食と言ったら・・・そうです、去年も行った「赤レンガ横丁」へ、
もちろん店も去年と同じくジンギスカン「じん平」です!
まずは改札口へ。1年前に1度だけですが道もちゃんと覚えています。
駅を出てロータリーを右に曲がって3つめの交差点を左折して・・・
それにしても何も変わってません。1年前の初北海道が脳裏に甦ります。
あの頃は確かもやしが云々言ってたよなあ・・・あ、店の人覚えてるかな?
1度来た場所をまた訪れるのも、旅の楽しみが倍増しますなあ( ´艸`)
そして駅から徒歩10分、目的の赤レンガ横丁に到着です。
早速中に入ると・・・あったあった!あの看板は確かに「じん平」!!
それにちょうどよく今回のメンバーの4人分が空いていたので座ります。
「いらっしゃいませ~」と聞き覚えのある声。ああ懐かしい・・・
こちらから話しかけようと思いましたが、向こう側から話しかけてきました。
それも自分たちのことを覚えてた!いやあよかったよかった(^^ゞ
そしてあの味・・・アットホーム的な雰囲気がこれまたいいんですよね!
ついでにサイドメニューで「手作りまぐろユッケ」も注文してみました。
これもなかなか美味い!あ~・・・先にご飯全部食っちまった・・・(汗)
美味いし肉争奪戦もやった(←笑)し話も弾んで、楽しい一時です^^
しかし1時間はあっという間に過ぎ、列車の時間になってしまいました・・・
会計を済ませて、店の人に「また絶対来ます!」と最後に一言。
また次回、北海道に来た時は最後に必ず立ち寄るとしましょうか!
安いし美味いし、ホントなかなかお得で楽しい店です^^
■サヨナラをもう1度・・・
731系 G-113編成
赤レンガ横丁から歩いて駅に戻ると列車は既に入線していました。
ホームで待機していたのは731系の3+3両編成です。
小樽始発なので余裕で座席を確保できましたが・・・座席固い^^;
ここからは函館本線でも道内有数の通勤路線になります。
そのため、車両の座席もロングシートのみでさらにドア開閉音は京急と、
札幌周辺の通勤需要に応えた仕様になっています。
さて、道内の行程は札幌へ向かいはまなすに乗るだけになりました。
そういえばこれから乗る列車は岩見沢行きでしたね。
この岩見沢の文字を見るのも、しばらくはこれで最後なのでしょう・・・
夜で大した撮影も出来ないので、列車に戻りました。
ここからは海岸に沿って走るのですが、見ての通りの真っ暗(苦笑)
(たまたまなのかこの区間を通るときは毎回夜なような・・・)
なので車窓は見れないのでずっと本を読んでいました。
やがてほしみを過ぎた頃から窓の外には街の街灯が見えてきました。
数は増え、さらに乗車率が高くなっていることも札幌が近い証拠。
もう、終点の札幌はすぐそこ・・・
というわけで、札幌駅に到着です・・・
1日ぶりに戻ってきました。一応また1つ『ぐるり旅』したことになりますね!
さて、札幌からは急行はまなすで北海道を離れます。
帰りのはまなすで乗るのは、勿論カーペットカー!!
行きは上段だったので今度は下段に乗ってみることにしました。
相変わらずの5番線出発。カーペットカー乗車位置で待機します。
はまなすの入線は発車のおよそ20分前なので、後数分で入線です。
721系 F-3021編成+F-****編成
・・・後数分で入線とか分かっていながら、ホームでバルブしたり(笑)
まともに721系の編セ写真を撮ったことはないのでちょうどよかったです。
と、バルブしていたら5番線に接近放送が鳴ったので慌てて戻ります。
とは言っても同じホームの反対側なんですけどね。
やってきたのはもちろん・・・
回202レ DD51-1137+14系8B
きたきたきたよー!!今夜の青森行き急行はまなす号です!
DD51と電源車の轟音を轟かせながら入線してきました。
乗車列の1番をとってあるので一番最初に入れます^^
到着するとまもなくドアが開いて・・・
カーペットカー全景
カーペットカー1番乗り~!
このカーペットカー全景の写真がやってみたかったんですよね~( ´艸`)
下段区画。階段と階段の間に5区画が設定されています。
仕切りは頭の付近の光が少し漏れるカーテンだけになっています。
因みに各階段の左右の区画には荷物置きのくぼみがあります。
さらに、階段を見て左側の区画(写真で言うと一番右の区画)の足元に、
上下に開閉するタイプのカバーが付いた業務用のコンセントがあります。
自由に使えるので、デッキに行かないでもその場で充電できます。
しかも自分の区画は写真一番右!
今まではわざわざデッキで充電していましたが、手間が省けました^^
とりあえず荷物を置いて反対側のホームへ向かいます。
自由席全景
と、思いきや隣の自由席が誰もいなかったので撮影。
車内全体を撮るには、人がいてはなかなか出来ないですからね~
あれ?でもなんでこの号車だけ誰も人がいないんだろう・・・
そして嵌っている構図でも撮影。きれいに整えられてること( ´艸`)
というわけで反対側のホームへ今宵の編成をバルブしにいきます。
停車時間が20分あるので撮影もそんなに慌てずに出来ます。
202レ 急行はまなす DD51-1137+14系8B
ようやくまともにはまなすをバルブできた!
青森駅でやった時は増結編成で回送しかバルブできなかったですし・・・
あのはまなすHMもはじめて撮影できました。これも似合ってますね。
疲れていたのもあったので1枚だけ撮って列車に戻りました。
そういえばさっき誰もいなかった自由席は既に大量の人でした(苦笑)
さて、列車に戻るとカーペットカーはパッと見全区画が埋まっていました。
やはり8月下旬だからか、同じく旅から帰る人が多いのでしょうか。
しかし、確実に隣の区画にいらっしゃった方は少し事情が違いました。
実はその方、3月の大震災の被災者の方だと言うのです。
話を聞くに今はつかの間の休息の旅からの帰宅途中だそうです。
それまでの経路や震災の被害などなど、いろんな話を聞けました。
特に鉄道の被害はひどいそうな。生々しい話にこちらも少し身震い。
やはりいつまで経っても消えない"傷"があるのですね・・・
話していると、列車は定刻通りに札幌をゆっくり発車して行きました。
そして新札幌・千歳と停車してさらに乗車率を伸ばしていきます。
隣の方はもう寝てしまったので、友人から借りた漫画をずっと読む(笑)
さらに友人たちまで寝てしまいましたが、それでもずっと読む(爆)
しかし活字で眠くなってきたので(?)、伊達紋別で寝ることにしました。
上りはまなすの消灯は伊達紋別発車直後から。ちょうどいいですね。
それにしても、走行音を聞いていると数日前を思い出してきます。
つい数日前はまだ見ぬ道東の鉄道に興奮してたっけなあ・・・
それも早いもの、だってもう帰路についてるんですから。
でも何もかもが温かい雰囲気で本当に楽しかった!
・・・なんて振り返っていると、気が付くと寝てしまっていました。
・・・
北海道、そこには一言で言い表せない「キング」がたくさんありました。
それほど広い北海道です。しかし全てを巡ったわけではありません。
とりあえず道東への旅はひとまずこれにて終了とします。
でもいつか、今度は冬にでも道東を逆周りで巡ってみたいです!
次回に続きます。
さて、長くなってしまいましたが遠征も最終日は第7日目です。
後は帰るだけ?おやおや、しかし一筋縄ではいかないようですよ。