2019年8月・9月は沢山のうさぎを保護しましたが、その中のひとりだったシェリくん。

 

天国に旅立ったシェリくんについて今日は少し書きたいと思います。

 

この年の2019年夏は個人的にも人生の転機があったりしたのですが、それどころではないくらいのうさぎを保護することが重なってありました。春からしずくちゃん、都市シリーズの山の子や、カヌレボルドー、元エリザベス、元アダムなど・・年明けはルナちゃんやジャスティンくんなど。

 

山のうさぎたちを保護したあとすぐにSAVE THE RABBITSは宝塚市に「分室」のお部屋を借りましたね。大阪の施設ではうさぎたちが入りきらなかったこと、マダニの治療をしたことなどがあります。

 

 

そんなドッタバタの中で話があったシェリのこと。

ご連絡をしてくださったのはシェリの元飼い主の整体をされている方だったでしょうか。患者さんの家で飼われているうさぎがあまりに不憫でご相談してくださったのです。シェリを引き取ることにした時、数多くいる保護うさぎを考えると引き取れないのではないかとボランティアさんに言われたことがあります。

 
上の写真は保護したばかりの時のシェリ。
引き取られる前に臭いからという理由で(掃除がされていないため)丸洗いされていたシェリ。ちょっと身体が湿っているような。それでも庭で放っておかれたのか、暑い部屋でひとりで過ごしたのが・・飼い主が気づいてない虐待です。
 

 

 

栄養失調状態で痩せていましたが、なかなか食べないことで悩みました。強制的な流動食の給餌を病院でしたり、あらゆるフード、食べていたホームセンターのフード、お野菜など・・色々試しながらもケージの奥にお尻をつけていつもうつろです。この頃は私の家で過ごして毎日しっかり様子を見ました。

 

 

 

それでも根の性格が楽観的といいますか、慣れが早いというか、食べ出すと少しずつ人に対しては怖がっている様子ではありませんでした。

 

ケージの外に出るということもなかったせいか・・なかなか自分でケージから出ることも最初は難しく、それでも「自由に遊ぶ」楽しさを知ってほしい。

 

あとどれくらいの命か分からない。

その時まで、自由に楽しく、美味しく食べて過ごしてほしいと、10年の愛されていない事実は過去のこと、フランス語で「愛される」という「Cheri」と名付けました。

 

 

シェリに関わるボランティアさんもシェリにはたくさんの愛情をかけました。

たくさん話しかけて一緒に過ごしました。少しずつ慣れてきたり、食べ始め、沢山のうさぎとの共同生活にも刺激を受け、どんどん目を輝かせてはあらゆる初めてなことを楽しそうに過ごしていたように感じます。

 

 

 

分室のお部屋では新しく保護されたうさぎや投薬が必要なうさぎ、私が特に目をかけておきたいうさぎなどの集まりでしたが比較的に1歳からの若いうさぎが多くシェリとは大きく歳の差がありました。

 

 

 

でもケージの外で楽しく遊び、うさぎの動きやニオイに刺激を受け、誰より若いうさぎであるかのような、誰より幼い遊びをしているような、10歳とは思えない行動をよくしていました。

 

 

特に若い男の子うさぎたちは去勢手術を受けたりしても、高齢のシェリはずっと未去勢のまま。ずっと大人しかった高齢うさぎのシェリが青春を楽しんでいるように見えました。

 

 

 

飼い始めたころ、何をしでかすか分からないようなヤンチャな子がいるように、シェリはまさにそんな感じで、何でも興味を持ってニオイを探って、おしっこを飛ばしたりしました。特に上の写真の2段目にいるカヌレくんはそんなシェリくんによく怒っていましたね(笑)呑気に写真撮ってるように見えますが、やりたいことをさせたいという気持ちと、危ないので、様子を見て下ろします。シェリくんは抱っこを全く嫌がらない不思議なうさぎでした。

 

 

 

すごく元気でも10歳の高齢うさぎであり、

10年間ほとんどをケージで過ごしたと思われるシェリにはあまり筋力がありませんでした。

 

非常に綺麗好きで長い時間毛づくろいをしていたと記憶していますが、「お座りスタイル」で毛づくろいしています。

 

 

 

若い男の子うさぎとはめっきり相性の悪いシェリ。

どっちが年上だろうかというように幼いシェリにみんなちょっと引き気味。

女の子のうさぎも「ちょっとうざい」と言わんばかりでしたが、青春謳歌中のシェリにとっては目に映るもの全てが興味の対象です。

 

 

 

保護モルモットに仲間認定され、逆に自分の後ろについてこられたときは「お尻を狙うな!」とちょっとムッとしていたね。

 

 

 

そんな中で、相手から甘えられることが初めてだったシェリ。

のちの妹分となるスカラとの出会いでは、逆にどうしたらいいのか分からず右往左往しながらスカラの突き出したおでこの毛を引っ張ったりしてたね。

 

 

 

イベントの準備をしていた時は一緒に夜中まで付き合ってくれました。

確か「私のうさぎ展」の準備だね!

 

 

 

だけど、疲れて先に寝てたね(笑)

 

 

 

私が歩くと一緒について周り大好きな日向ぼっこをするため窓際でうとうとしたり、それでも「家のうさぎ」に比べては沢山の制限がある「保護うさぎのシェリ」は毎日が楽しそうに、これまでの10年がどうしても私の中で悔しくてたまりません。

 

 

 

そんなシェリに「里親希望」のお問合せが。

のちに分かったのですが、私についてしっかりリサーチされていて(笑)どんな気持ちで私が保護うさぎを託すかを理解してくださっていました。

 

 

よく分からない、ちょっと不安そうなシェリの顔でも、

私はこの方だー!って思いでいましたよ

 

 

そんなシェリをお迎えしていただいた時は、もちろん寿命のお話もさせてもらいました。というのも若くしてうさぎさんを亡くされたばかりだったからです。

 

お見合いの時からもその悲しみを抱えていらっしゃることはすぐに分かりましたし、シェリももしかしたらすぐに・・なんてこともあります。

 

里親さんの家で暮らして3年7ヶ月。

14歳になったシェリにこの夏会いにいってきました。

 

 

 

ほとんど寝ているばかりですが、しっかり食べたりするところも見せてくれて、あの時のチョロチョロしていたシェリではありませんが、なんでしょうか「あの頃と変わってないな〜」ってシェリのことを思ったのです。

 

 

 

少しだけ歩く姿も見せてくれました。

 

シェリのことは里親さんがインスタで様子を載せてくれていたりしますが、もちろんそれが全てではなく悩んだりしながら獣医師さんや有識者の方に相談したりし、日々シェリに向き合い、仕事を在宅勤務に変えるため転職したり、朝早く起きて盲腸糞を食べさせたり・・迎えた命と向き合ってサポートしていくということを間近で見させていただきました。本当にありがとうございます。

 

10年間のやるせない思いや、多くの方にはシェリは悲壮感があるかもしれませんが、この三年間のシェリの生き様を皆さんに知っていただきたい。そしてお迎えした命と最期まで向き合うことの大変さと幸福感を知ってほしいと思います。

 

シェリくんの人生に少しでも携わることができて光栄です。

 

よくがんばって精一杯生きました。

シェリ またね。