里子たちを里親さんの元へ送り出しても、わたしにとってはどの子も大切な身内みたいなもの。旅立ちはとてもつらいです。

 

ソルトくんを知る人は多いかもしれません。

それは長く保護生活をしていて2年前までSAVE THE RABBITSにいたからです。

 

 

 

ソルトくんは2014年3月に保護されました。

自慢の鳩胸もないくらいの、まだまだ子どもらしい顔をしているソルくんですね。

 

私がSAVE THE RABBITS事務局に遊びに行くと玄関を入ってすぐに保護されたばかりのソルトくんがいました。東京から新幹線でやってきたと聞き、『そんな事もあるんだな〜』なんて呑気に思っていた頃です。『可愛いからすぐ里親決まる』なんて無責任にも言っていました。

 

それからお世話のお手伝いが始まり、ヤンチャぶりには驚くばかりで。保護うさぎは保護されてからしばらくサークルに慣れないうさぎが多くいます。

とにかくサークルから出たいとジャンプして脱走ばかりしてました。

 

 

 

ジャンプして空のダンボールに入ってしまったソルトくん。

 

この後、同じ場所でまたうさぎが保護され

翌年も続いて多頭遺棄があったので関東では有名な遺棄事件だったかもしれません。

 

 

 
なかなか撫でることも出来ず、爪切りも暴れるようなペットうさぎさがないソルトくん。
 

 

 

河川敷おちびちゃんたちが生まれてから特にソルトくんは変わったかもしれません。それまでも人に慣れてきて撫で撫でを受け入れてくれるようになりましたが、一気に元気さをなくし気力がない日々でした。

病院にも何度も行ったくらいです。

 

おちびたちにはちょっと先輩面するソルトくん。

自分は柵の外にいるんだ!って自慢していました。

 

 

 

そして2019年、おうちに行くことが決まりました。みんなが喜んで、ソルトくんもこれまで経験したことない日々を過ごしてくれたと思います。

 

ソルくんの不調は随時聞いておりましたが、最終的には肺がんになり、9月になってからは酸素ハウスを使いながらも最後まで少しだけでも食べて里親さんにその姿を見せて頑張りました。不安にさせないために頑張ってくれたんだと思っています。

 

ソルトくんは10歳くらいかな、と思いますがその中でも2年しかおうちで過ごせませんでした。

その時間はとても貴重ですし、おうちで暮らすことが出来たこと、里親さんにも感謝でいっぱいです。

 

でもそのほとんどを施設で暮らしたことも事実で、保護うさぎになってしまった事が問題です。

 

 

 

ただソルくんが亡くなったことでより色んな事を考えます。

 

私は保護うさぎたちの日々の生活についてできる範囲で質をあげたいと思っていますし、それがうさぎを飼うことへの見本のひとつでもありたいと思います。それでも叶えられないのは家での暮らしです。

 

SAVE THE RABBITSの保護うさぎたちの暮らしはお世話人たちの努力があってこそですが家族からの愛情や細かな気遣い、自由さは正直難しいです。

 

 

保護うさぎを誕生させない世の中にしたい。

保護うさぎを選択することを考えて欲しい

 

そして、

うさぎを飼うということ

本当によく考えて見てほしい。

可愛いだけじゃないところもみんな発信して欲しい。

 

ソルトくんのご冥福をお祈りするとともに、

保護うさぎが増えることがないように願います。

 

最後にソルトくんを保護してくれた

Nさま、ありがとうございました。