No.38 江原瑞紀
いつも明るく前向きで、一緒にいる人に自然と元気を与えることのできる“パワフルガール”こと江原瑞紀。
同じ学部・ゼミで、大学生活の大半を彼女と共に過ごしてきた。部活、バイト、そして学生寮長としての顔を持ち、まさにマルチタスクの達人である。忙しさの中でも、授業と授業の合間にササっとまつげパーマに行くなど、彼女の時間管理スキルには驚かされるばかりだ。
今年はサタデーリーグを一緒に担当し、彼女の存在にたくさん助けられた。
3年間、マネージャーとして部を陰から支えてきた彼女の想いが込められた文章を、ぜひご一読ください!
紹介人:高山愛里沙(MG/香蘭女学校)
「置かれた場所で咲きなさい」
ありさ、他己紹介ありがとう。
紹介に預かりました通り、私はマネージャー業務の側、国際交流寮で学生寮長をしている。巷では「ドン」と言われているらしい、、。
そして私はマルチタスクができるほど器用な人間ではないが、確かに何もしていない時間は何だか勿体無いような気がして、毎日朝起きたらまず1日のやることリストを時間単位で記入する。(そんな人間には見えないと思うが、実はかなり真面目である。)
また自分の「したい!」に素直で一人でラーメンを食べに行く日もあれば、美術館に行ったり、旅に出てみたりとかなりの行動派である。
こんな人になったのは小さい頃の習い事のおかげだと思っている。
ピアノにソルフェージュ、そろばん、英語、水泳、陸上、体操、お料理教室。
これらは私が小さい頃からやってきた週7日の習い事である。学校終わりに習い事をはしごする日も多くまさに”パワフルガール”であった。何年も出続けてやっと本選出場が叶ったピアノコンクール、週末嫌々行っていた陸上の練習、先生に怒られて泣きながら頑張ったそろばん教室。今となれば全て良い思い出だが、当時私が辛くて「辞めたい」と言っても両親は習い事をそう簡単には辞めさせてくれなかった。だからこそ、辛い中でも楽しさを見つけるようになったし、諦めずに何年か続けてみないと分からない楽しさもあることを知った。私が物事をポジティブに考えられるようになった原点である。
そのくせ両親は「勉強しなさい」とは一度も言わないのだから面白い。
高校受験期、21時に「みーちゃんそろそろ寝なー、パパは先寝るよー」と2Fの部屋まで温かい緑茶を持ってきてくれるとそのまま誰よりも早く3Fの寝室に向かい5分も立たないうちにいびきが聞こえる。(そんな呑気な父の姿にも救われていたよ)一方母は誰よりも早く起きて一つも冷食がない正真正銘の手作りのお弁当を毎日作ってくれ、夜遅い塾の送迎までしてくれた。本当に感謝しかない。たくさんの愛を注いでくれる2人のもとに生まれてこれた私は本当に幸せ者だね。ありがとう。
「置かれた場所で咲きなさい。」
この言葉は第一志望の高校に合格できずどん底にいた私に母がくれた言葉である。
「置かれたところがあなたの居場所。そこで咲けば良いの。」と。だいぶ救われた。
ここまで割と順風満帆だったからこそ、これほど大きな挫折をするのは初めてでかなり苦しかったし逃げたかった。しかし、この経験も私を強くするためにあったものであり、今となればそんな状況にも感謝できる。
これから先の人生就職して、結婚して、もし子供ができても「こんなはずじゃなかった」と思うことが出てくるかもしれない。そんな時は、その状況の中でも咲く努力を私はし続けたい。
なぜこの話をしたのかというと、まさに立教サッカー部に所属する一人一人が置かれた場所で咲いているからである。
今この立教大学体育会サッカー部には約150名の選手が所属し、その中でも公式戦のピッチにスタメンとして立てる選手はたった11人。もちろんその11人の選手のサッカーに懸ける想いや努力は計り知れないし心から尊敬する。
しかし、私がスポットライトを当てるのはその11人を鼓舞する140名ほどの部員である。なぜならそれぞれの選手が立教の一員として自分の役割を理解し、組織のために行動している姿に心を打たれるからである。例えば関東リーグの運営。自分のカテゴリーの練習後にもかかわらず、全身汗をかきながら仲間のために幹部として、学連として、1年生として懸命に準備を行う選手たち。彼らがいなければ試合は実施できない。他にも声を枯らしてまで他カテゴリーを応援する選手たちの姿。また怪我や病気で試合に出れず、様々な想いを抱えながらもピッチに立つ選手を全力で鼓舞する選手たちの姿はとても美しく、まさに置かれた場所で咲いている。
日々の練習での努力や、選手それぞれのサッカーに懸ける想い、一つになって戦っている選手たちの姿、試合終了のホイッスルが鳴った瞬間に選手たちが魅せる表情。
これらを発信することが選手を近くでサポートさせてもらっている私の存在意義であり、マネージャー活動において達成感とやりがいを感じる瞬間である。
今、私はサタデーリーグに帯同させてもらっている。実は誰よりも温かい心の持ち主のみずさんや、学部・ゼミが同じで大学生活の大半を共に過ごし、臨機応変で頭の回転が速く頼りになる愛里沙(MG/香蘭女学校)、選手を想って時に厳しく指導し、毎回試合後には「今日もありがとうございました!」とLINEをくれる可愛い後輩幹(TR/海老名高校)と試合終了のホイッスルが鳴った瞬間に勝利のハイタッチをするあの時間が大好きだ。この後の一戦一戦も選手たちが思う存分力を発揮できるよう最高のサポートをしていきたい。
大学生になっても必死になれる環境があることに感謝しながら、尊敬する大好きな立教の仲間のために残りの1年半全力を尽くしたい。
〈プライベート写真〉
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