口舌の徒になるな。
ことばの軽い人間になるな。

そういう話があった。
じゃあ、一体どうすればいいんだ。
自分とつなげて考えるって一体なんだ?
どうしたら「重いことば」を吐けるようになるんだ。

ということで、一つ話をしよう。

さっき、グッチーとこの仕事について話をしていたんだ。
えらいだろ。もう休みだってのに。
グッチーは最近こういうふうに思っているそうだ。

「ここの教育は、貴族のような人間を育てようとしてるんじゃない? 公の心を持つというような」

ふむふむ。
うん。なるほど。そういう考えもあるかねー。
でもなんだろうな。この違和感。なんかちょっと違うんだよねと感じる。
腹にズシーンと響いてこないんだ。「もうちょっと、こう」って感じ。

そこから一時間半ほど「じゃあ、一体なんなのかねぇ」という話をしていたわけです。
で、結論としてどうなったのかというのはご想像にお任せしますが、
ここで僕は一つ気づいたのでした。

ハチワンダイバーみたいなもんなんだよな・・・

ハチワンダイバー 1 (ヤングジャンプコミックス)/柴田 ヨクサル
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※ハチワンダイバーは、将棋マンガです。りゅうたのマンガではありません。

ハチワンダイバーは、将棋バトルマンガです。
主人公は、9×9=81マスの将棋盤(ハチワン)に潜って(ダイブして)
必勝の一手を探し当ててくるのですが。まぁ、詳しくは本読んで下さい。

で、まぁ、潜るわけです。
僕は、グッチーとの会話に潜っていった。

「教育=貴族を育てる=ノブリスオブリュージュ」という攻撃を受けて、
「違和感」を覚えた。なんか違うよね。ちょっと遠いよね。これじゃないよねという気持ちが沸いた。

この違和感に潜っていく。
違和感を増幅させる。違和感にどっぷり浸かって、全身で感じて、この違和感を生じさせている「根っこ」を探しだしにいったわけです。
もっと違和感を感じて、よくよく体の奥まで響かせて、これは一体なんなのか? と探るわけです。

そうやって、「ああ、これだよね」と思うものを持ってくる。

「なんか違うな」って感じたのは「キャッチボールの観点がないんだよね」みたいな。
そうやって持ってきた一手は、会話を展開させる力がある。
こういう観点から見ると、どう見える? と話を広げていく力がある。

その違和感に深く潜って、拾ってきた一手。
口舌の徒は、潜らないで、全身で感じないで、頭でだけ考えている。

大震災や復興について自分とは遠い?って言う人は、
それを自分の全身に響き渡らせて感じることをしていないというだけ。
それに入り込んで、その世界にどっぷり浸かって、そこで何を感じ、考えるのか。
そこから「これは一体なんなのか? 」という「答え」を自分で拾ってくればいい。

潜って、拾ってこい。

そういうことだ。


俺は、なんか分かったぞ。うむ。