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先日、座・高円寺で太宰のイベントを一緒にやらせて頂いた、原きよさんが朗読で参加されるということで「太宰サミット」へ。


今回の太宰サミットは、太宰治が住んでいた荻窪にある碧雲荘を残そうという主旨。

しかし、「残る」ということに関して現状かなり厳しいとのこと。


確かに誰も住んでいないという状況や、跡地に特別老人ホームを立てるためにすでに杉並区が土地を買っているので当然といえば当然。


でも、一部移築や映像を残すことなどできることはあるはず。


内部の撮影が一部分のみしか許可されていないことや、測量などもできないというのは残念。

最低バーチャルでもいいので、残す手立てを与えて欲しい。


税金が使われるのでなかなか難しい案件とは思いますが、一度壊すともうどうにもならないということをよく考えていただきたいです。


会の内容は原きよさんによる「富嶽百景」の朗読や、特別講演として又吉直樹さんの講演等など。


碧雲荘を「太宰が住んでいた」ということではなく、「建物そのものの価値」という点からの講演は、「そういう側面からのアプローチがあったか」と興味深く聞かせて頂いた。

昭和の初めに建てられたこういう建物が都内にほぼ残っていないということを初めて知りましたが、確かに風呂なしトイレ共同というようなアパートに住む人は今ほとんどいないでしょう。


私は学生の時から二ツ目になってしばらく経つまでの約10年間、そういう古目のアパートに住んでいたので、なんだか急に、「古い建物残すべし!」と熱くなってしまいました。


私が住んでいたアパートはだいぶ前、明治生まれのおばあちゃん大家さんが亡くなられて、マンションに建て替えられました。


基本的に土地は誰かのもの、ということではなく「みんなのもの」という発想から行くと、次々変わっていく方が健康的なのかもしれませんが、自分の住んでいたところが様変わりすると、途端に寂しくなるというわがままさ。


文化を残すということを考える一日でした。