今年の登山を振り返るシリーズ第三弾は、槍ヶ岳「子槍」登攀です。
クライミングを始めてまだ1年目。経験も技術も十分とは言えない中で、「今の自分がどこまで通用するのか」を確かめたくなり、思い切って挑戦しました。
北アルプスの象徴でもある槍ヶ岳「子槍」。
高度感、岩の緊張感、そして一つひとつのムーブに集中する時間は、これまでの登山とはまったく違う世界でした。
怖さも不安もありましたが、それ以上に「挑戦している実感」が強く残った一本。
今回は、クライミング1年目の自分が子槍に挑んだ、そのリアルな記録を書いていきます。
東京をバスで出発し新穂高に着いたのが、17時半ごろ。
スタート時間はすでに薄暗く、メンバーの待つ槍平小屋テント場には20時着となりました。

皆さん宴会がすでに始まっていたようで、混ぜてもらいました。

これからは大雨の予報。明日に備えてテントで眠りにつきます。

翌朝は予報通りの大雨。
この日の目標は槍ヶ岳山荘横のテント場まで。
雨が弱まるのを待ち、10時スタートという遅めの出発になりました。
雨に濡れたロープやクライミングギアは想像以上に重く、スタート直後から修行のようなコンディション。
登山道には雨水が勢いよく流れ、まるで沢の中を歩いているようでした。
それでも不思議なもので、ここまで降ると逆に楽しくなってきます。
バシャバシャと水を踏みながら、黙々と高度を上げていきました。

飛騨乗越付近まで来ると、ようやく雨が落ち着き、
秋らしい飛騨沢の景色が姿を見せてくれました。
ほんの一瞬ですが、気持ちが一気に軽くなります。
槍ヶ岳山荘に到着した頃には雨はほぼ止んでいましたが、
気温は低く、雨に濡れていることもあり寒かったです。


小屋で食べた熱々のおでんが、これ以上ないご褒美でした。
翌日の天候回復を信じ、この日は早めにテントへ。
翌朝、昨晩の影響でガスがなかなか取れず、しばらく様子見。
ゆっくりしていると突然、ガスの切れ間から槍ヶ岳が姿を現しました。
これ以上ないタイミング。

一気に青空が広がり、急いでクライミングの準備に取り掛かります。
先行パーティーもいるようで待ち時間はありましたが、焦らず順番を待ちました。
登攀中は正直、写真や動画を撮る余裕は一切なし。
ただ目の前のホールドとロープに集中する時間が続きました。
そして、ついに——
夢だった子槍の頂に立つことができました。

下りは約40mの懸垂下降。
これが本当に怖かった。
登るよりも、降りる方が緊張するというのを改めて実感しました。

スタートが遅かったこともあり、孫槍・ひ孫槍を経て大槍まで行くことはできませんでしたが、悔いはありません。
小屋に到着後は再度、おでんに槍ヶ岳パフェ(?)とビールも飲みました。

クライミング1年目で挑んだ子槍登攀。
緊張と達成感が強く残る、忘れられない山行となりました。