小中と
全く身だしなみに無頓着だった蒼。
高校入学してからの2週間くらいは
少し早く起きて寝癖を直し
始業時間に間に合うように
いつも元気に玄関を出ていってた。

交流を深めよう、という趣旨で
入学してすぐ校外学習があったのだけど
その班長にも立候補して
ママ!僕班長だから
この紙にサインして!!(危ない乗り物に乗る事への同意書のようなもの)
と、嬉しそうに張り切ってた。

そんな蒼の様子が
おかしいな、と
思い始めたのは4月の後半。
その時期に差し掛かると
起きたてのリビングの空気感が
あの頃を思い出させ毎日ザワザワ。
涙が出る訳じゃないけれど
ただただ寂しい気持ちのまま毎日を過ごし
やってきたゴールデンウィーク。

蒼と最後に過ごしたゴールデンウィークは
一度だけ蒼に怒られた。
前日のバイトで疲れてるだろう、と
起こさずに娘二人とだけ出掛けたランチ。
帰ってきた私に 蒼は
何で起こしてくれなかったの!?
と、
珍しく長い間怒ってた。
いつもはこんなことで怒ったりしないのにな…
なんて思いながら
ごめんごめん、今度また行こう、って
約束した。

この今度が
二度と訪れることがないなんて
思いもしなかった、、

そしてこどもの日。
お友達ご家族と一緒にテーマパークへ行く予定。

蒼も行く?
んー どうしよう
と、悩み

バイトもあった為2年前のこどもの日は
蒼と一緒に過ごす事は出来なかった。
ひとり留守番…
もうこの頃には
蒼が情緒不安定なのを感じていた私。
何を思い、考え
何をして1日過ごしていたのかな…

今年のゴールデンウィークは
そのテーマパークにて
アトラクションの並び時間に1時間以上
男の子を連れた仲良し家族を
目の前にする事となり
気が付いたら泣いてしまっていました。

何で蒼はここにいないんだろう
私もそうやって蒼とじゃれ合ってた

久しぶりにグリグリと心が掻き乱され
苦しいゴールデンウィークでした。

そして訪れる母の日。
2年前の母の日は
8日。
バイトから帰ってきた蒼は
あ、そうだ、ママこれ!
って
照れくさそうに
ぶっきらぼうに
背負っているリュックの中から
トラベルセットを取り出した。

嬉しかった、心から。
何もいらないんです。
物なんて。
ただ、覚えていてくれたことが
嬉しかった。
誕生日に
おめでとう、とか
母の日に
ありがとう、とか
そんな言葉が言える子に成長してくれていたら
それだけで良かったんです。

嬉しくて嬉しくて
普段日記なんてつけることのなかった私が
2年前の母の日には
蒼が母の日を覚えていてくれた事を
書いていました。

思い出すんです、まだ。
昨日の事のように。
書きながらも涙が出ます。

そんな母の日が明日やってくる。

こどもの日同様
心が明日を拒否してる…

三回忌まであと10日。
数えられる程になってしまいました。

4月5月は
やっぱり苦しい。

月日の流れと共に
薄れゆく記憶もあって
それに気が付く度
寂しくて悲しくて
悔しくて。
でも
どれだけ経っても昨日の事のように思い出す
全く薄れゆく気配のない記憶にも
胸が締め付けられる。

そんな毎日を
ひっそりと送っています…
今はひっそりとしていたい。

弱いな、私…