平安時代の文献には、物の怪(もののけ) の話がよく出てくる。 人間にとり憑いて苦を与えたり、病気や死に至らせたりするとも言われる。 その正体ははっきりせず、 怨霊(おんりょう)、死霊(しりょう)、生霊(いきりょう)などの場合がある。 『源氏物語』には、いくつかの物の怪が現れる。 「夕顔」や「葵」の段には、 それを六条御息所の生霊として暗示されている。 また「須磨」「明石」の段には、それと違った物の怪が登場する。 物の怪を退治したり退散させるには、加持や祈祷以外に方法はなさそうで、 『枕草子』や『紫式部日記』にも描かれている。 平安時代の物の怪が現れる状況というのは、 政治的対立が生じ、ひどい仕打ちをしたか、されるかによって、 その「うしろめたさの影」として現れるようだ。 平安時代のよく知られる政治的対立といえば、 右大臣の菅原道真の話。 彼は、宇多天皇に重用され、醍醐朝では右大臣にまで昇ったが、 左大臣藤原時平に讒訴(ざんそ) され、大宰府へ左遷され現地で没した。 その没後、落雷など強烈な天変地異が多発。 道真に対するうしろめたさが、物の怪伝説を生むことになる。 ひるがえって、今の政治を見れば、物の怪が現れてしかるべき状況。 マニュフェストをないがしろにして増税話。 今の内閣は、強行するところから見て後ろめたさがありそうだ。 そろそろ、天罰か? 物の怪の怨霊退散の加持祈祷がよいかも。