コロナの後、食べ物が全部おかしくなった。3年間、味覚・嗅覚障害と戦った話

2022年、コロナに感染した。

当時は「まあ、コロナにかかっちゃったか」くらいに思っていた。

幸い、コロナ自体は治った。

でも、まさかその約1か月後から、3年間も食事に悩まされることになるとは思ってもいなかった。

最初はカップ麺だった

コロナが治ってしばらく経ったある日、いつものようにカップ麺を食べた。

ところが、一口食べてみると、

「……なんだこれ?」

明らかに変な味がした。

最初は気のせいだと思った。

体調がまだ完全に戻っていないだけだろう。

そう思って、別の食べ物を食べてみた。

でも、やっぱり変だった。

「これも変な味がする……」

そこで初めて、単なる気のせいではないことに気づいた。

特にダメだったのが、揚げ物と焼いたもの

その後、いろいろな食べ物を試してみた。

すると、特にダメだったのが揚げ物や焼いたものだった。

肉を焼いたときの匂い。

揚げ物の匂い。

それまで普通に食べていたものなのに、ものすごく変な臭いに感じる。

「食べ物からこんな臭いする?」

そう思うくらい、普通の食べ物とは思えない臭いだった。

味がおかしいというより、鼻から入ってくる「食べ物の匂いそのもの」が別物になっているような感覚だった。

そして、それがあまりにも気持ち悪くて、食べることができなかった。

食べられるものがどんどん減っていった

食事は毎日のこと。

「今日は何を食べよう?」

ではなく、

「今日は何なら食べられるんだろう?」

という状態になった。

しばらくは、

  • うどん
  • おにぎり
  • フルーツ
  • 甘いもの

などを食べて何とか過ごしていた。

それまで普通に食べていたものが食べられない。

好きだったものも食べられない。

外食を楽しむことも難しい。

友達とご飯に行くときも、行けるのはうどん屋くらいだった。

自分が食べられるものに合わせてもらうしかないのが申し訳なくて、友達にも気を使ってしまう。

「またうどん屋に付き合わせることになるのかな」

そう考えると、友達とご飯に行くこと自体がだんだん億劫になっていった。

食事って、普段は当たり前すぎてあまり意識しない。

でも、その「当たり前」が突然なくなると、こんなにも辛いものなのかと思った。

「味覚障害」だと思っていた

当時は自分でも、単純に「味覚がおかしくなった」と思っていた。

でも、後になって調べてみると、コロナの後には嗅覚が正常とは違う形で感じられる「異嗅症(パロスミア)」という症状があることを知った。

実際、コロナ後に、

「肉が変な臭いに感じる」

「揚げ物が食べられなくなった」

「コーヒーが異常な臭いに感じる」

など、食べ物の匂いが本来とは違って感じられる人がいるらしい。

自分の場合も、舌で感じる「味」だけではなく、食べ物の「香り」がおかしくなっていたのかもしれない。

特に焼いたものや揚げたものがダメだったことを考えると、今振り返ってもかなり納得できる。

そして、これが3年続いた

一番辛かったのは、これがすぐに終わらなかったこと。

数週間で治るわけでもない。

数か月経っても完全には戻らない。

そして、気がつけば何年も経っていた。

約3年間。

食べられるものが限られた状態で過ごした。

正直、精神的にもかなり追い詰められた。

「いつまで続くんだろう」

「もう元には戻らないんじゃないか」

そう思ってしまうこともあった。

当時は、死のうと思ったこともあった。

それくらい、自分にとって「普通に食べる」ということが大きな問題になっていた。

少しずつ、食べられるものが増えていった

それでも時間が経つにつれて、少しずつ変化が出てきた。

「あれ? これなら食べられる」

そんなものが少しずつ増えていった。

そして、いつの間にか以前より食べられるものが増えていた。

完全に戻ったと感じられるまでには、かなりの時間がかかった。

でも、ある日ふと気づいた。

「普通に食べられてるじゃん」

今ではラーメンも焼肉も食べられる

そして現在。

ラーメンも食べられる。

焼肉も食べられる。

揚げ物も食べられる。

以前なら「変な臭いがする」と感じていたものを、普通に美味しいと思って食べられる。

これは本当に嬉しい。

特に、好きなラーメンを普通に食べられるのは最高だ。

「ラーメンうめぇ!」

って普通に思える。

今では、友達とご飯に行っても、自分の食べられるものに合わせてもらう必要がない。

友達と好きなものを、気を遣わずに食べられる。

「今日は何を食べようか」と一緒に選べる。

そんな当たり前の時間が、今は本当に嬉しい。

最高だと思う。

当たり前のことに思えるけど、自分にとっては当たり前じゃなくなった時期が3年間もあった。

だから今は、普通に食事ができること自体がありがたい。

「美味しい」は当たり前じゃなかった

病気になる前は、食事をすることなんて当たり前だった。

お腹が空いたら食べる。

好きなものを食べる。

焼肉に行く。

ラーメンを食べる。

友達と一緒に、好きな店を選ぶ。

そんな毎日だった。

でも、一度それができなくなってみると、

「好きなものを美味しく食べられる」

ということが、実はものすごく幸せなことだったんだと気づいた。

だから、コロナにかかって「少し休みたい」なんて、気軽に言わないでほしいと思う。

もちろん、感染した人が悪いわけではない。

自分だって、感染する前はコロナの後遺症がここまで長く続くなんて知らなかった。

でも、コロナが治った後も、味覚や嗅覚の異常が何年も残ることがある。

食べたいものが食べられない。

友達との食事にも気を使う。

好きなものを美味しいと思えない。

そんな生活が続くこともある。

コロナから約1か月後に突然始まった異常な味と匂い。

そこから約3年間。

長かった。

本当に長かった。

でも今は、ラーメンも焼肉も美味しく食べられる。

友達と好きなものを、気を遣わずに食べられる。

だから今は素直に思う。

普通に食べられるって、最高だ。