今日はほぼ曇り空なのだが、相変わらず気温は高く、34度まで上がった。暑いなかを向かいの空き地では朝8時からブロック塀の新設工事が始まった。とはいえ、この暑さ

ということもあり、作業は半日ほどでひとまず終了したようだ。

 

昨日書いたハチ刺されのつづき、ということで、ブヨの登場である。

北関東の山間にある父の実家へは毎年8月の数日滞在していた。入口のところに使っていない古井戸があり、ゲンゴロウが泳いでいた。庭では、オニヤンマ、ギンヤンマ、キイトトンポが舞っていた。それはいいのだが、招かざる客にブヨがいた。

小学校二年生の時だったが、年上のイトコたちと裏山に登ってみることにした。10分も歩けば頂上で、祠がまつられていた。その往復でブヨに食われた(ブヨは蚊とは違って、皮膚を咬んで出てきた血液を吸うので、食われた、としておきたい)。半ソデ半ズボンという無防備な姿だったので、肌が露出しているところは満遍なくやられた。おまけに顔まで食われる始末である。食われたところは腫れあがり、あとからかゆみが襲ってくる。不思議なことに、田舎暮らしのイトコたちはポツンと食われた跡が残るだけで、どうということもないのだった。

 

この腫れとかゆみには耐えがたいところがあり、東京に戻ってからかかりつけの医者に行った。治療はというと、腫れたところに紫色の薬を塗っていくのである。手足はまだしも、顔まで紫色なので恥ずかしくて外を歩けないくらい目立った。結局、残りの夏休みは出かけることなく家にこもるほかなかった。ただ一回だけ、後楽園球場へ野球を見に行った。隣りにいた父がいうところでは、観戦中、顔のかさぶたを取っていたそうである。

 

顔はそれで収まったのだが、手足の方は腫れが残った。そして9月になって学校に行くと、それを見て笑う奴がいた。太っちょのカネダである(ここでは配慮して名前は書かないことにする)。今の感覚でいえばイジメの部類なのかもしれないが、そのころはどうして出来物ができたのかといういきさつを話すこともなく、無視して終わった。

 

いまにして思えば、子供にブヨの知識などないので、大人たちの配慮が足りなかったのだと思う。