「餌あげられない動物園はつまんない!」

そう言って6歳の娘は口を尖らせた。



私たちがよく行く千葉動物園は、ウサギ・馬・ヤギなどに餌をあげる場所がある。

少ない量で500円なので、そう何回もあげることはできないけど、娘はそれが楽しみだったようだ。





広い敷地を歩き、パンダはまだかな〜?しろくまがいる!カワウソかわいいね。そんな話をしながらウサギコーナーに行くも、上野動物園には、餌をあげたり動物を触れるところはなかった。



それまで頑張って歩いたのに、、と娘の顔が曇る。

ついでに空模様も怪しくて、朝はピカピカの晴れだったのにどんどん雨雲が増えてきた。


好きなお土産ひとつ買って帰ろう。


そう決めて、パンダとフクロウを両手に悩み、パンダとハムスターを両手に悩み、やっぱりパンダを連れて帰った。





早足で動物園を後にする。


駅に着く3分前に雪が降り始めて、キャーキャー言いながら改札を通った。


雨じゃなくてよかった。雪なら振り払えるから。


娘はしっかり、パンダをダウンの中にしまい込んでいた。


いいな、パンダ。守ってもらえて幸せだな。





ちなみに息子はお土産に執着なくて、何も買わなかったけど、その代わり「うえのどうぶつえん」という固有名詞と「しろくま」「くろくま」というクマの違いを覚えて帰った。


屋内にいた4mくらいのワニにも、大興奮(私も然り)。あんなの本気出したら、水槽の壁突き破ってあっという間に食べられちゃいそう。







バスと電車乗り継いで1時間。


息子はともかく娘は、動物園=餌をあげるのが楽しみ・遊び場がないとつまらないということがわかった。

───アクティブなのは、いいことだ。