ポピー気を抜かず好反応11秒8/ローズS | 秋華賞激走穴馬的中丸秘記録

ポピー気を抜かず好反応11秒8/ローズS

<ローズS:追い切り>


 桜と樫の女王が秋華賞トライアル・ローズS(G2、芝1800メートル、21日=阪神)で激突する。秋の始動戦となるトールポピー(栗東・角居)は、Cウッドで5ハロン68秒0、しまい11秒8。走りに安定感が出て、精神的な成長を感じさせた。


 樫の女王トールポピーは3頭併せの一番後ろで4角を回った。春は1頭になると気を抜く面があり、池添謙一騎手(29)は「離されてはいけない。集中させないと」と軽く仕掛ける。だが、そんな不安は杞憂(きゆう)に終わった。ゴーサインに機敏に反応。前を行くインセンティブガイ(古馬オープン)ビーチパトロール(3歳1000万)を瞬時につかまえた。全体の時計は5ハロン68秒0、ラスト1ハロン11秒8。ゴール板を過ぎてから半馬身ほど前へ出したが、最後まで集中した走りを続けた。


 池添は「春に乗った時以上に、身のこなしが柔らかくなった。体もちょっと大きくなったね」。夏場は放牧先のノーザンファームに2回行き、厩舎にも何度となく顔を出した。それほど成長を楽しみにしていた1頭。先週の計量では480キロ台。オークス時(462キロ)との比較では、20キロほど増えている。前川助手も「春先はカイバが落ちることがあったが、函館から輸送してもカイ食いが落ちなかった。競馬は470キロ台で出せるのでは」とひと夏を越しての成長を語る。


 たくましくなったのは肉体面だけではない。Dウッドで長めから追われた15日に続き、この日も矯正馬具のノーズバンドを外した。「抜け出してもぎりぎり我慢していたし、走りも安定してきた。必要なさそう」と池添が言えば、前川助手も「口を割ることも、ソラを使っている感じもない。本番は分からないけど、ローズSはつけないと思う」と語る。オークスを制覇の必須アイテムを外すほど、メンタル面も成長を遂げている。


 「本番はあくまでも次だけど、オークス馬だし結果を求められているのは分かっている。乗るのが楽しみ」と池添。春先は強さと幼さが同居していた。ひと夏越し、成長した樫の女王がどんな競馬を見せるのか。ファン同様、池添も秋初戦を心待ちにしている。


出典:日刊スポーツ