はじめに
PCBを設計したことがある皆さん、思ったことはありませんか?『この部品のパッドに直接ビアを打ちたいなぁ...』
『もっと回路を密集させて小型化したかったなぁ...』。でも、従来のVia in Padではデメリットが目立ってしまい憚られる。ビアにあらかじめ銅を充填するオプションもあるけど値段が高すぎて手が出せない...
でも、心配ご無用!今の時代、お手頃な価格でそんな夢の話を試せちゃうんです!!そう...JLCPCBならね![]()
そもそもVia in Padとは?
ビアとは、基板の層と層をつなぐための小さな穴のことです。穴の内側に銅めっきがしてあり、表の配線と内層や裏面の配線を電気的につなげることができます、PCBの層の数が多ければ多いほど、ビアを打たなければいけない数も増えていきます。当然、ビアというのは基板上な大切なスペースを占有していく上、基板に穴が開きまくりだと見た目も締まりません!!
普通はビアを部品のパッド(はんだ付けする銅の部分)から少し離れた場所に置き、パッドからビアまで短い配線を引きます。それに対して Via in Pad は、名前の通り パッドの中に直接ビアを打つ 方法となります。
穴が開いたままのパッドだと何が困るのか
「じゃあ最初から全部パッドの上にビアを置けばいいのでは?」と思うかもしれませんが、穴が開いたままのビアをパッドに置くとこんな問題が発生
。
- はんだが穴に吸い込まれる:リフローのときに溶けたはんだが毛細管現象でビアの中に流れ込み、パッド上のはんだが足りなくなる。
- 空洞ができる:穴の中の空気が抜けきらず、はんだの中に気泡が残ることがある。
- 部品が傾く・浮く:パッドごとにはんだ量がばらつくと、小さな部品が傾いたり、片側だけ浮いてしまったり。
特にBGAのように部品の裏側にピンがあるパッケージだと、目視で確認できないので不良に気づきにくく、厄介事に発展しそうです
。
解決策:ビア充填
そこで使われるのが ビア充填 です。JLCPCBさんの工程では、ビアを開けてめっきしたあと
- ビアの穴を樹脂(エポキシ)で埋める
- 加熱して樹脂を固める
- 表面を研磨して平らにする
- その上からもう一度銅めっきをして「蓋」をする
という手順を踏みます。こうして作られたビアは POFV(Plated Over Filled Via) と呼ばれ、パッドの表面がほぼ平らになるので、普通のパッドと同じようにはんだ付けできるようになります。
写真でもわかる通りビアが一つ一つ銅で覆われていますよね、この基板ではすべてのビアに対してVia in Padを行ったわけではありません、それでも相当なスペースを確保することに成功していますし、実際手にしてみると感動するものです!!
Via in Pad(POFV)を使うと何がうれしいのか
実際に設計してみて感じた利点をまとめます。
① 配線が楽・基板を小さくできる パッドからビアへの引き出し配線が不要になるので、部品の周りのスペースを大きく節約できます。BGAやピッチの細かいQFNでは、ピンの間からビアを逃がす「ファンアウト」がとても楽になる。
② 電気的な特性が良くなる パッドとビアの間の配線がなくなる分、配線のインダクタンスが小さくなります。たとえばICのすぐ横に置くパスコンをVia in Padで内層のGND・電源層に直結すると、ノイズ対策としてより効果的。
③ 放熱しやすくなる QFNの裏面にある放熱パッド(サーマルパッド)にビアを打つと、熱を内層や裏面の銅に逃がすことができます。穴が埋まっているので、はんだが吸い込まれる心配もNothing。
④ はんだ付けが安定する 穴が埋まって表面が平らなので、上で書いたような吸い込み・空洞・傾きの問題を避けられます。
本来は高価なオプション...
ビア充填は、樹脂を埋める・固める・削る・もう一度めっきする、と工程が多いので、一般的には 追加料金がかかる高価なオプション です。
ところがJLCPCBさんでは、6層〜20層の基板はビア充填(エポキシ充填+キャップ)が無料で標準適用 されます。発注画面でも、6層以上を選ぶと自動で「Epoxy Filled & Capped」にアップグレードされます。
つまり、6層基板を頼むだけで、何も追加料金を払わずにVia in Padの設計が使えるということです。学生の私たちにとっては本当にありがたいです!
JLCPCBの6層基板はどれくらい安いのか
6層基板というと「めっちゃ高そう」というイメージがあるかもしれませんが、JLCPCBなら我々一般ピーポーでも十分手が届いちゃうのです。今、6層基板で見積もりを取ってみたらこんな値段でした。
おわりに
今回は、JLCPCBさんの6層基板で無料のビア充填を使い、Via in Padを実現した話を紹介しました。
パッドの上にビアを打てるだけで、配線の自由度も基板の小ささもぐっと変わります。「6層は敷居が高い」と思っている人にこそ、一度試してみてほしいです。
改めて、いつも基板をご提供いただいているJLCPCBさん、本当にありがとうございます!
興味が出てきた!!という方は是非、下のリンクからご覧下さい!!
日本語発注システム
jlcpcb.com/jp?from=roboatteam
英語発注システム
jlcpcb.com/?from=JPV
*こちらの記事はJLCPCB様の提供でお送りいたします
参考にした情報
- JLCPCB「Free Via-in-Pad on 6-20 Layer PCBs with POFV」 https://jlcpcb.com/news/free-via-in-pad-6-20-layer-pcbs-pofv
- JLCPCB 6層PCBページ https://jlcpcb.com/jp/6-layer-pcb
- JLCPCB「A Beginners Guide to Tented vs Untented Vias」 https://jlcpcb.com/blog/a-beginners-guide-to-tented-vs-untented-vias



