みなさん,お久しぶりです.B4の鳴海です.

なんでか今日にも書くことになりました.不思議です.

 

本当は,カルマンフィルタとか制御寄りのことを書くつもりだったのですが時間不足 己の能力不足によって諦めました.また別の機会にでも書ければいいな()

 

色々考えた結果,Fusion 360について書けばいっかって思ったんでこれについて書きます.

主にB1,B2のCAD触りたてほやほやの人たちに向けたもので,

共同作業においてどういうことを意識してFusion使えばいいの

ってことについて,授業とか僕の経験とか踏まえながら説明していこうと思います.操作方法については触れないのでご承知おき.

もちろん,B3以上の人にも見ていただけると...

 

(今日は調子が悪いので,文面のテンションは低めです)

 

  Fusion 360って?

 Fusion 360はAutodesk社が出している3DCADのひとつです.

(公式サイト:https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/overview?term=1-YEAR&tab=subscription

 

ここで問題ですが,Fusion 360の読み方はなんでしょうか?

馬鹿にすんな!「ふゅーじょん さんびゃくろくじゅう」だろ!!!

とかの声が聞こえてきそうです.360を英語読みしてる人もいそう.

ですが,正式には「ふゅーじょん すりーしっくすてぃ」って読むみたいです.初見ではわかりませんね.

(巷では,さんろくまるとも言われいてるようです)

 

まあそんなことはおいておいて,Fusionには次のような特徴があります.

  • 直感的な操作でモデルが作成できる
  • ファイルをクラウドで管理できる
  • モデル作成から構造解析までできる

上記のような特徴をもつために,Fusionは今の衛星,ロケットプロジェクトの両方で使われています.

1つ目の特徴は,プロジェクトに配属されたばかりでもすぐにモデルを作ってプロジェクトに関われるからいいよね.

2つ目の特徴は,クラウド管理はあまり他のCADにはない機能で,Fusion導入の大きな決め手だと思います.ファイルの共有を楽にでき,共同編集に向いてるからいいよね.

3つ目の特徴は,構造解析まで完結するからいいよね.(Inventorだと追加でNastran入れないといけないし)

って感じですね.

 

ただそんな手軽にみんなで扱えるFusionだからこその悩みのタネとして,

各々が自由な作り方をしがちなために,モデル修正が面倒

ということが挙げられます.自分ひとりがモデル修正に苦しむのはいいですが,みんなを困らせるわけにはいきません.

 

  みんなを困らせないために

 みんなを困らせないためには,

設計意図を相手に伝える/修正がしやすい設計をしよう

ということにつきます.

設計意図とは,「ここが大事だと思ってます!」「こういうことを考えてモデル化してます!」ということです.文章で書き連ねてもまあいいのですが,大抵読まれません.なので,CADモデルにその設計意図を込めます.

 

設計意図を伝える/修正がしやすい設計って具体的にどうすんの?ということについて4つほど触れていきます.

 

  1. ファイルの階層関係を意識する

 無計画にCADを触りだすのではなく,まずはつくりたいものを分解して,ファイルの階層構造を決めましょう.例えば次のような感じで...

 

↓この記事中の写真を引用

 

↓この記事も参考になるかもしれない

 

ここで,

  • ファイルの分割は,部品ではなく,機能に注目して行う
  • 階層構造は,大事なものから上から下に並べていく
ということを意識してください.
 
 
この写真は,航空の授業で「ハンドルを回して動くおもちゃを設計してね」というグループワークで設計したおもちゃのモデルになります.(creoですが)
あまり詳しく説明はしませんが,このモデルは次のような樹形図を書いて階層関係を作ってからモデルを作成していました.

樹形図を作っている最中は大変ですが,(ある程度)しっかり階層を作っていたので,機能の検証やモデルの修正は楽でした.

また,階層関係をしっかり作っていればそれだけで設計意図を相手に伝えられることになります.「この機能が大事なのか」とか「この機能を検証するためにこの分け方をしているのか」とかとか.

 

(ワークスペースを跨いだアセンブリとかはやめた方がいいですよ...)

 

  2. 基準面を意識する

 次に,基準面を意識しましょうということについて.

3次元CADは,xy,yz,zxと3面ありますが,それらの面をモデルのどこに通すか考えてね!ということです.

 

下の図は,ロケットのCADモデルを作成する前に作った,部品のポンチ絵です.

少々薄いですが,モデルに対して平面をどこに通すかという情報が書かれていることがわかると思います.

この部品は同じものを2つ組み合わせて使うように設計されていて,段差の部分で次のように合わさるように設計されています.

で,このポンチ絵を見る感じ,合わさる部分を基準とした基準面を引いていることがわかります.

 

モデルに対して,基準面をどこに通すかは非常に大切です.

機能の大事なところに基準面を通す

というのが,基準面を取るときの大まかな基準です.

上のタンクマウントという部品であれば,2つ合わさって機能を満たすから,合わさるところが大事でそこをを基準に取ってあるんだなと予想ができます.

 

基準をテキトーに取ると,設計意図が伝わらない&モデルの修正がしにくくなるので,モデルを作る際は,ポンチ絵を描いて基準面をどこに通すか相談しあってから,CADに移るようにした方がいいかと思います.

 

↓ 役に立ちそうな記事

 

 

  3. 作る順番を意識する

 作る順番というものも極めて大事です.

 

基本的な物体のひとつである中空円柱を例に取って考えてみることにします.

左と右は同じ形状の中空円柱を作っているのですが,作り方が違います.どんな違いかわかりますか?

 

 

 

左の作り方は,中空円柱を作れと言われたらほとんどの人がやる作り方ではないでしょうか?外径を揃えた円柱を作って,内径の分だけ切り抜くってやり方です.

右の作り方は,内径を表す円柱Aを作って,外径を表す円柱Bを作って,円柱Bから円柱Aをくり抜くというやり方です.

 

最終的な形が一緒だったら,どっちで作ってもいい...わけない!!!

というのがここで言いたい話で,設計意図を伝える,修正しやすいモデルを作るという観点で捉えましょう.

 

 

基本的にはモデルをつくる際は,

大事なものから1つづつ作る

というのが鉄則です.大事なフィーチャは初めの方(上位)に,どうでもいいフィーチャは後の方(下位)にきます/おきます.こうすることで,「ここが大事なのか」という思想が見えますし,モデルの修正も楽になります.大事なものは(基本的には)あまり変更がないので,下位フィーチャを弄るだけでモデル修正ができます.

 

なので,外径から先に作る方法は「外径が大事!!内径はどうでもいい!!」って考え方で,内径から先に作る方法は「内径が大事!!外径なんて糞食らえ!!」って考えです(過激派)

 

例えば,CanSatの放出機構のように内径(レギュレーションを決める要素)が大事な場合は,内径から先に作る方がいいです.配管のように,外径が大事なものは外径から作る方がいいってことです.(いい例が思い浮かばなかったです...)

 

 

  4. わかりやすい名前にする

 これは言われなくてもわかっている話ではあると思いますが,

「〇〇アセンブリ」「〇〇アセンブリ_New」「〇〇アセンブリ_New2」「〇〇アセンブリ_新」

とかやってしまいがちですよね.なんならSSSRCのワークスペースにこうしたファイルが散見されます.間違えたファイルをいじる原因にもなるんで,わかりやすい名前にした方がね...まあ,頑張ってください.

 

あと,これはFusion特有の話になるんですが,Fusionはアセンブリファイルとパートファイル(部品ファイル)の区別がありません.普通はあるんですけどね.なので,アセンブリファイルとパートファイルが区別できるような名前をつけるなどプロジェクト内でコンセンサスを取ってもらえるといいかなと思います.

 

 

あとは

  • 図面を使って寸法の検証をしながらフィーチャ重ねていこうね〜
  • 保存のときにどこを作成/修正したかのコメントを積極的に残そうね〜

くらいですかね.まあ,CAD触りながら色々頑張ってください.

 

では,また.卒論書かないといけないので...