メリークリスマス、B3のPM兼ミッション系の中島です。

今日はクリスマスということでせっかくですし衛星の話をしようと思います。

 

OMUSAT-IIIプロジェクトは3年ぐらい経ちますが、2年半ぐらいはミッションが決まらなかったり、ミッションが頓挫したりと苦しい時期を過ごしました。

僕は初めからミッションに携わっていたわけではないですが、初期は工学部や理学部の教授にひたすらミッションになりそうなものがないか聞いて回ったりしたらしいです。

途中でワイヤレス電力伝送ミッションをやろうということになりましたが(僕はここから参加した)、

  • cubesatでは電力を食いすぎる
  • 衛星でやる意義やアウトカムをうまく示せなかった
  • そもそも誰もこのミッションに興味なかった🥺
などなどで頓挫してしまいました。
ワイヤレス電力伝送
 
次にやろうとしたcubesatドッキングミッションも検討段階で実現性から頓挫してしまいました。

ランデブードッキング

 

ドッキングミッション頓挫後、一から再スタートして自分たちで色々調べたり先生にミッションに使えそうな題材を聞いて回ってようやく今のミッションが決まりました。

前置きが長くなりましたが今僕たちは膜構造物の形状計測ミッションを大阪公立大学の岩佐研に手伝ってもらいながら進めています。

 

なぜこのミッションを行うのかというと、膜構造物がソーラーセイルや膜アンテナに使われる際膜面のしわや振動がミッションの妨げとなるが、実際に形状を計測したことがなくシミュレーションでしか膜の定常的な形状変化を予測できていないので膜面を軌道上で形状計測しようとなりました。

こんな感じで開いた膜を形状計測

 

アウトカムとしては軌道上での形状計測手法の確立と、計測した実際の形状とシミュレーションを比較することでシミュレーションの精度の確認と精度向上を掲げています。

今回行う形状計測の手法は格子投影法というものです。

格子投影法とはプロジェクターから対象物に格子を投影して(bの画像)、それをカメラで撮影することで対象物の三次元形状が測定できる(cの画像)というものです。

また、機器配置の画像のように基準面2枚の格子をあらかじめ撮影して、対象物との格子の位相差を比較することで形状を求めています。

格子投影法による石膏像の形状計測

格子投影法の機器配置

 

なぜ格子投影法を用いるのかといいますと、格子投影法のメリットとしては

・カメラ一台なので同期しなくてよく,データ量が小さい

・膜に余計なものを張らないので膜の物性を変化させない?(反射を小さくする必要あり)

・画素ごとに計測するため解像度が高く、また精度が高い

ことがあげられます。

ミッションの目的は、フルサクセスが格子投影法の成功、エクストラサクセスとしてシミュレーションの精度向上としております。

 

今はミッションの進行状況としては、ミッション検討が終わって仕様検討とBBM試験を並行して行っている感じです。

現在下の画像のように簡易な模型で格子投影法の実験を行っている最中です。

格子投影法の実験

 

今のミッション自体はまだ走り出したばっかりですが、無事走りきれるよう頑張っていこうと思います。

僕たちのミッションを是非応援していただけると幸いです。

(特に今日は変なネタないです。僕よりも衛星の方を知ってもらえれば幸いです。)