本記事はSSSRC 2023 アドカレ2日目の記事です。

こんばんは、修士2年のUKです。師は走り始めたのに、走るどころか外に出るのも億劫になりがちなこの頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

上に書いたように本記事はアドカレの2日目の記事ですが、もはや2日目も終わりそうなほどギリギリの公開になってしまいました。アドカレは立候補制なので、私もそれに立候補できるくらいには書けることがあるはずなのに、どうしても書けない...!ウンウン唸ってるうちに時間はじわじわと減っていき、こんな時刻になってしまいました。

とは言ってもいまだに書けそうなことがないので、ここは開き直って、「書けない」ということについて内省してみようかと思います。

 

自身に潜む第三者のまなざし

一番最初は、「SSSRCのブログなんだから衛星開発のことを書こう!」と思って、衛星のOS開発のアレコレを書こうと思っていました。具体的には、私が所属するC&DH系(Command & Data Handling)でのソフトウェア開発やチームの雰囲気について書こうと色々唸っていました。
ただここで、自分の中に潜む第三者がにゅっと飛び出してきて、こうぼやいた気がしました。

「読者にとって新たな学びになる何かを書けるほど、君はソフトウェアとか専門用語に詳しくないよね...?」
ここ一年の間に始めたアルバイトのおかげで、オブジェクト指向の強力さとか、疎結合なソフトウェア設計の重要さについて個人的にはかなり知見を深めたとはいえ、「これは興味深い!」となるような話題の持ち合わせはありませんでした。
加えて、私は自他共に認めざるを得ないほど、自分の中で勝手に言葉を創り出す才能?(例: GUIを「ジーユーアイ」ではなく「グーイ」と読んでいた)に溢れており、誤ったことをつらつらと書いてしまいそうという懸念もありました。


「他者のことを書いていいの...?」
詳細な個人情報を書くことはないですが、他者との関わり合いで感じたことを同意なく書いてしまうことにも少し戸惑いが生じました。自身にとって何気ないことでも、他者にすればかけがえのないものだったりするので、それを無碍にはしたくない...と、ふと反省に似た思いを抱きました。
(私については、個人を特定できなければ基本何でも書いて大丈夫です!上記はあくまで自分にのみ問いたいことであって、楽しそうなみんなの姿は100%楽しく見えるので!)

外から見た時の目新しさや正確性、他者に対する自身の評価的な視線への疑問視で自身を眺めた結果、「この話題は書けないなあ〜」となりました。

 

選んだ言葉・選ばなかった言葉

次に、「せめて楽しいことを書いた方が読む方も楽しいから、旅行の話でも書こう!」と思い、四国での鉄道旅行について文章を色々考えていました。ただし、次も私の頭に立ち塞がる何かがありました。


 

11月初旬の朝7時頃に高知から岡山に向かう列車から、徳島の三次市を見下ろす画角で撮った車窓です。

うまく撮れていないこの車窓ですが、「いろんな人々の生活が始まる朝日に照らされた街並み」に少し心が動くところがあって、その気持ちをうまく表現しようと気合いを入れて文章を書いていたところでした。

この朝日の感じと気持ちをどう表現すればいいのか。『暖かな陽光』...感情的にはそれなりにしっくりくるけど、これは春の昼頃とかそれなりに気温が高い時期に使う気がする。『大きなすりガラスを通したように淡く暖かい日差し』...すりガラスってあんまり目にしないような。淡くというほど弱い光ではないし...というか、めっちゃカッコつけてる感じで、すごい恥ずかしい!!

...こんな感じで、選んだ言葉に託せる雰囲気と感情、その他多数の選ばなかった言葉の持つ意味に右往左往して、結局文章を仕上げることができませんでした。

ラジオのお便りやYouTubeの視聴者参加型企画とかでお見かけする、気取っていないのに平易な言葉でずばりと自身の感情と情景を言語化できる方々を本当に尊敬します。友人から「君の文章は熟語がたくさんあって、カロリーが高い」と言われる私ですが、高カロリーな文章体質からうまく脱却したいものです。

おわりに

「書けない」ことをつらつらと書いていたら、1700字を超えてしまいました。読者の方が下さった時間に見合う価値をお返しできればと思っていましたが、どうでしょうか...?
書けないことの悔しさは残りますが、色々な人の文章や言葉の選択に触れ、自分の文章をどんどん変えていっている最中だと思えば、まあこのしんどさにも付き合ってやるかという気持ちにもなるものです。

明日からもアドカレは続きますが、SSSRCの多彩なメンバーが織りなす文章にご期待ください!

 

個人的に、ある大きなテーマを提示し、細かな話題を織り交ぜながら最終的にそのテーマに収束する文章が大好きでして。
例えば弊学の前身、大阪府立大学の2018年度 学位記授与式式辞は、あみだくじを人生に例え、学長の遍歴や学生が出会ったであろう「横線」を散り混ぜながら、最終的に卒業生への激励に繋げる名文だと思います。「卒業式なのに学長の歴史を聞かされても...」と思われるかもですが、辻学長はこの年で退官で、学長にとっても大学の卒業式だったのだなと思うと、しみじみと味わい深いです。下記リンクから読めますので、ご興味があればぜひ。

https://www.osakafu-u.ac.jp/omu-content/uploads/sites/1162/msg20190324.pdf