こんにちは,修士2年の森瀧瑞希です.

学部1年生の時には修士2年の先輩なんてめちゃくちゃ上の人という印象でしたが,あっという間に自分も最高学年になってしまいました.

SSSRCにいるのも,学生でいるのもあと1年弱,残りの期間で何ができるかなと考えながら日々を送っています.

SSSRCの学生としては,ひろがりの運用に携わった身として次の衛星に反映させたい設計の反省点や,運用経験から学んだことをできる限り後世に残せるようにしていきたいと思っています.

 

 

 

さて,みなさんは今日6月13日が何の日かご存知ですか?

そしてこの写真を見たことはあるでしょうか?



(出典:宇宙航空研究開発機構)

 

 

宇宙に関心のある大人の方なら分かる方が多いのではないでしょうか.

2010年6月13日,小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還した日です.

先ほどの写真は,はやぶさが地球に帰還する際に最後に送信した画像データになります.

はやぶさは数々の困難を乗り越え,奇跡とも言えるような状況で地球に帰還しました.

 

当時,僕は小学5年生で,興味のあることは宇宙,昆虫,化石,鉱物,情報技術,将来の夢は宇宙飛行士というサイエンスが大好きな少年でした.

その頃僕が興味を持っていた宇宙というのは,ブラックホール,銀河,恒星の末期,膨張を続ける宇宙,というような,どちらかというと理学的な側面でした.そんな僕が,一瞬にして "宇宙工学" に魅せられたきっかけがこのはやぶさの地球帰還でした.

 

はやぶさは2003年5月9日に打ち上げられ,2005年に探査対象の小惑星イトカワへ到着,本来は2007年に地球に帰還する予定でした.

ところが,イトカワへのタッチダウンの際に転倒する事故が発生し,そこから推進剤の漏洩,姿勢の乱れ,交信途絶,イオンエンジンの故障と立て続けにトラブルが発生し,2007年の地球帰還は不可能となりました.軌道の関係上,その次に地球帰還を目指せるのは2010年ということになります.

ただでさえ故障が見られるのに,元々の想定よりも3年長く運用し,地球に戻るというのは絶望的な状況に近かったのですが,はやぶさプロジェクトの研究者,エンジニアたちは諦めずにあの手この手で地球帰還への道を模索し,見事地球への帰還を成功させました.

 

この研究者・エンジニアの工夫と努力と執念に,僕は非常に感銘を受けるとともに,探査機で宇宙を旅すること,すなわち工学的な宇宙への関わり方に強い興味を持ちました.

それ以来,僕の宇宙への憧れは理学的なものから工学的なものにかわると共に一層強くなり,今に至ります.

はやぶさは,僕の宇宙への道のスタートラインです.

 

 

宇宙への興味は大学生になっても変わらず,大学ではSSSRCで人工衛星の開発・運用に実際に関わり,自分自身も人工衛星が通信途絶し苦しみ,必死に試行錯誤しながら運用を続けてミッションの成功を収めるという経験をしました.

この経験を通して,宇宙への思いは一層強くなりました.

 

僕は来年から宇宙機開発を行うエンジニアになる予定です.これからも僕の宇宙への道は続いていきますが,毎年6月13日は原点回帰して,宇宙への憧れを持った少年の心を忘れずに精進していきたいと思います.