突然だが、”ドラマチック”という言葉にどのような印象を持つだろうか。
私について言えば、”素敵”やら、”感動的”といったプラスの印象を持っていた。
しかし、この解釈は必ずしも正しいとは言い切れないのではないか・・・
当初の予定では、往復電車賃1100円と最寄り駅の駐輪場代110円を浮かせるために自転車で移動するつもりだった。寝坊した。まあ、目覚ましをセットしていなかったので、起きる気がなかったと言われればそれまでである。1210円は諦めて電車で移動しよう。
電車に乗り込んで定位置であるドア横のスペースを確保する。阪和線はここが広いことが多いのでありがたい。本でも取り出そうとしていると、同じドアから乗り込んだカップルの会話が聞こえてきた。目的地が同じみたいだ。男曰く、今日はどうやら混むようだ。そんな話もほどほどに男は一心不乱にスマホを見始めた。女の方はというと、柔らかい笑みを浮かべながらまっすぐと前を見つめていた。どんな気持ちなんだろうか、そして、そんなにスマホを見つめながら何をしているのだろうか。人といるときのスマホの使い方って難しいよなと考えながら自らの行動を顧みた。
そんなこんなで乗り換えして1時間ほどで到着した。ここに初めて来たのは、ちょうど6年前の同じ日、父親と一緒だったなあ、なんて思い出した。大阪に引っ越してからは年に数回来ていたが、高校野球を見に来たのは初めて来た時以来だった。そして、その日と同じ選抜の準決勝が行われる。こんな偶然もあるようだ。甲子園の駅前にあった桜がちょうど満開であった。普段は控えめに佇んでいる桜の木が、久しぶりに観客の制限なく大会が行われることを祝福しているようであった。
いつの間にか有料になっていた外野席に入った。チケットを買ったのは、準決勝に勝ち残るチームがまだわからない時であったので、ライトスタンドにビジターのファンがいたらただでは帰れないという阪神戦のノリで、大失敗はしないだろうという魂胆でレフトの席を買っていた。特に応援しているチームがなかったため、どちらでもよいと思っていたのだが、前日夜に浦和学院に同じ中学出身の選手がいるという情報を知り、浦学応援しようかな、なんて思っていた。その心虚しく、
近江VS浦和学院
大阪桐蔭VS国学院久我山
(左側が3塁側、自分の席周辺にこのチームを応援する人が多い)
という対戦カードだった。とはいっても高校野球だし、そんなに一方的な応援になることはないだろう。
プレイボールの声が掛かった。震えた。
-----つづく。