この記事はSSSRC Advent Calender 2021 16日目の記事として書かれています!

 

はじめまして,B2の浅井です.普段はロケットの電装系に所属し活動しています.

クリスマスが近づいてきましたね.1年に1度の素敵な日,皆様はどのように過ごされるのでしょうか.

僕はおかげさまで予定が入っております(バイト).

クリスマスプレゼントも既に準備してあります(自分向けに)

 

 

…やめよっかこの話題.

 

 

さて,今回は僕が高校時代に参加していたロボット競技「ロボカップジュニア」について紹介します.

ロボカップジュニアは,「2050年までに,人間のサッカー世界チャンピオンに,ロボットで勝利する!」という目標のもと開催されている自律型ロボット競技大会「ロボカップ」の,19歳以下の学生が参加する部門です.ロボットが人間とサッカーをする,というだけでも難しそうなのに,さらに世界チャンピオンを負かそうというのですから,とても壮大で夢がありますよね. 日本の研究者の提案でスタートした大会ですが,今や世界中に競技者(通称ロボカッパー)がおり,年に一度,各国の代表による世界大会も催されています.

 

 

まあ,いろいろ細かい話はおいておくとして…

この競技を一言でいってしまえば「ロボットサッカー」なわけですが,単にそういわれると,二足歩行のロボットがガシャガシャ歩いてボールを追いかけている,みたいな様を想像する方が多いのではないでしょうか?確かに,シニア部門の方にはそのようなリーグも存在します.しかし,ジュニアの機体はそのイメージとはかなり違っていて…

こんな感じです(あくまで一例ですが).サイズはだいたい直径22cm 高さ22cmくらい.

これがサッカーするなんてちょっと想像しがたい,そんな声が聞こえてきます.実際に見てもらった方が早いですね.下が試合の様子です.

 

 

(せっかくなので自分たちのチームの動画をチョイスしました)

 

時間がない方向けgif画像↓

 

いかがでしょう?先ほどの白いロボットが動きまわって,オレンジ色のボールを追いかけているのがわかるかと思います.こんな感じでひたすらロボットを走らせて,相手ゴールにボールを入れたら1点ゲット.人間のサッカーと同じく,試合終了時の得点で勝敗が決まります.これがロボカップジュニアのサッカーです.ちなみに,「自律型」ロボット競技ですから,ラジコンのように人間が操縦しているのではなく,ロボットが自分で考えて動いています.

 

(それにしても懐かしい…僕らの青春です.こればっかりやってたから浪人しt)

 

 

 

そしてこの競技,シンプルにみえますが,実はいろんな技術が詰まっているんですよ.

 

まずはボール認識.どこにボールがあるのか分からなければ,ロボットは動きようがありませんから,機体に載せたカメラでボールを認識するようになっています.ただし,搭載できるカメラは一台までで,しかも,人間以上の視野角をもつ既製品カメラは使用禁止,というルールがあったので,僕のチームは凸面鏡を設計・製作して,それをカメラモジュールに正対させた「自作全方位カメラ」を使い,戦っていました.

ちなみにですが,ボールを認識するために必要なプログラムを1から書くのは(少なくとも当時の僕には)かなり難しいことで,結局,色認識がはじめから機能として備わっているカメラ↓を採用していました.

 

 

ただ,これはあくまで「色」認識ができるだけなので,ボール以外のオレンジ色が映り込んでしまうと,ボールとの区別はほぼ不可能です.まあ,そんな干渉の可能性があるものはコートから排除する,というルールだったので,気にせず使えたんですけどね.

 

次にライン処理.先ほどの動画及びGIF画像で,白線(ライン)をロボットが踏んだとき,コートの内側へ逃げる動きをしていることに気づきましたか?実は,ルール上,コートに引かれたラインより外側に機体が飛び出してはいけない,ということになっているのです.これに対応すべく,LEDとフォトICを使ってライン検出センサを作り,それが反応したら,ボールを追うのをやめてラインから離れる動作にうつります.しかし,これがまた難しい….センサの動作自体ではなく,それが反応したあとにロボットをどう動かすのか…話すと長いので割愛しますが,ライン処理にはずっと頭を悩ませていた記憶があります.

他にも,機体の姿勢制御や,プッシュソレノイドを用いたキック機構,機体間の通信などなど,シンプルにみえる試合にも,たくさんの技術が隠れています.

 

 

紹介にしてはやや踏み込みすぎちゃいましたが,ロボカップジュニアのサッカー競技がどんなものなのか,少しでも伝わりましたでしょうか?ジュニア部門は日本各地で大会が行われているうえ,今の時期からは,ちょうど全国大会への切符をかけた熱い戦いが繰り広げられているはずです.さらにこのロボカップジュニア,実はサッカーに限らず,レスキュー部門やオンステージ(ダンス)部門もあったりしますので,興味のある方はぜひ足を運んでみていただければと思います.

 

それでは今回はこの辺で.最後まで読んでくださりありがとうございました.

 

 

~余談~

当時ロボカップジュニアサッカーに参加していたライバル校(?)のメンバーと,このSSSRCで,同期として再会しました.当時は競争相手でしたが,今は仲間として切磋琢磨できることがとても嬉しいです.やはり人は皆,もともとの理想とは違う場所にたどり着いたとしても,最後には,それぞれのいるべき場所へと導かれ,いずれ引かれあうのだと,そう思います.

 

スタンド使いみたいやね(みんなジョジョ見よう).