初めまして!3回生の湧川です.アドカレに参加することになって本当はかっこよく衛星や技術系の話題を書こうと思っていたのですが,そこまでの知識がないことに気づき趣味の大相撲について書くことにしました.

 大相撲と言えばここ大阪でも毎年3月に大阪場所が開催されているのですが,新型コロナウイルスの影響で一昨年は無観客,去年は両国国技館での開催と未だにエディオンアリーナ大阪に行ったことがないので今年こそは現地で開催して欲しいと願っております.

 ところで近年の大相撲といえば,つい最近引退した横綱白鵬や入れ替わりに横綱に昇進した照ノ富士などモンゴル出身力士の活躍が目まぐるしくなっております.そんなモンゴル出身力士がどのように大相撲の世界に入ってきてるのか皆さんはご存じですか?今回は年代ごとにまとめた彼らの入門経緯を紹介してみたいと思います.

 

 

 上の表はモンゴル出身力士の一覧表となっております.(引退者は最高位が幕内以上のもののみを掲載.また,現役力士は2021年九州場所の番付が幕下以上の者を掲載)

 モンゴル出身力士の大相撲での歴史は1992年に旭天鵬や旭秀山ら5人の力士が当時の大島部屋に入門したことから始まり,現在では朝青龍,白鵬,日馬富士,鶴竜,照ノ富士の5人もの横綱を排出するにまで至っております.

 そんな彼らの入門経緯を表で見ると青狼以前と旭秀鵬以降で特徴が分かれていることが分かります.前者では多くの力士がモンゴルで行われた部屋の関係者による選考会等を経て直接各部屋に入門していますが後者では一度日本の学校に留学した後に入門することが多くなっております.これらの理由としては,そもそも近年の大相撲では高校,大学のどの学生相撲出身者が多くなっていること,また,先人たちの経験から,いきなり入門すると文化の違いから戸惑うものが多く,一度日本の学校に入学して日本の生活に馴れたほうがいいと考えられるようになったことが原因と考えられます.

 青狼以前の力士で目立つのは朝青龍,朝赤龍,時天空の三人です.朝青龍と朝赤龍の二人は同じ飛行機で来日してともに明徳義塾高校に入学しており,朝青龍が一足先に退学してはいるのですがともに高砂部屋へと進んでおります.

 時天空は一度モンゴル国立農業大学に在籍しており,交換留学生として東京農業大学に入学した後,同大学にゆかりのある時津風部屋に入門しています.

 旭秀鵬以降では皆さん進路がばらばらになっており,一括りとして考えることが難しくなっているのですが,注目すべきは照ノ富士,逸ノ城,水戸龍と豊昇龍,欧勝馬の組み合わせです.

 前者の三人(実は角界に入っていない幻の4人目がいたらしい)は同じ飛行機で来日しており,共に鳥取城北高校に進学していますが,進路は全く違っております.現在横綱として大活躍中の照ノ富士は卒業後間垣部屋に入門した後部屋自体が統合されたことで日馬富士も在籍していた現在の伊勢ケ浜部屋所属になっております.逸ノ城は卒業後に鳥取県体育協会に入っており,1年目で実業団横綱のタイトルを獲得することで,幕下付けたしの資格を得て鳴り物入りで湊部屋に入門しております.水戸龍は日本大学に進学しており,4年時にアマチュア横綱のタイトルを獲得することで同じく幕下付けたしで入門しています.幼馴染である三人が進学先も一門も違うことになるとは各々の特徴が出ていて面白いですね.

 豊昇龍と欧勝馬も同じ飛行機で来日しており,日体大柏高校にレスリングの留学生として来ていたのですが,競技を相撲に変更した後,豊昇龍は立浪部屋に,欧勝馬は日体大に進学後,4年時に学生横綱のタイトルを取っており,同校の卒業生で元琴欧州の鳴門親方の部屋に入門しています.学生相撲は十数年前までは日大が圧倒的強さを誇っており,高校も同大のOBが監督をしておられる鳥取城北高校や埼玉栄航行の出身者が多くいました.しかしながら,近年は北勝富士,妙義龍を排出した日体大や御嶽海,若隆景を排出した東洋大の活躍が目まぐるしく,実力が分散されているのですが,その傾向が5年~10年遅れ程度でモンゴル人留学生にお出ていることが面白いところです.このままいくと東洋大出身のモンゴル人力士が生まれるのも間近に思えますね.

 ここまでモンゴル出身力士の歴史と最近のトレンドの話をしましたがいかがでしたでしょうか?最近は大相撲に興味を持っている人が少なくなってしまい,せっかくの知識(多分衛星関連の知識より多い)を披露する場がなかなか無いのですが,このブログを機に大相撲の世界に興味を持ってくれる人が増えてくれるとありがたいです.気が向いたらまた書いてみたいと思います.