おはようございます、4回生の鈴木です。私は11月21日(日)に堺市立ビッグバンにて開催された、小中学生が対象のモデルロケット設計ワークショップ『Rocket School』の見学をしました。Rocket Schoolは東北大学の卒業生および在学生が設立した団体「School lab.」が主催するものづくり学習イベントです。

 このイベントの存在はセンター長から聞き、当初は「よくあるロケットの工作教室かな」と思っていました。しかし実際に見学すると、モデルロケット打ち上げの目標設定、それを実行するために設計を行い開発に進めるという、多くの企業や研究チームが開発に用いているプロジェクト思考を取り入れていることに驚きました。

 

オープニングの様子 ファシリテーターからロケットの説明があったのはこの時だけ

 

 まずモデルロケットとはどういうロケットか軽く説明がありましたが、それ以外の説明は全く無い状態から、「湖方向に発射後2分以内に回収する」という漠然としたミッションを基にどんなロケットを作ったらいいか戦略を5~6人1班で話し合いを始めました。次に、考えた戦略に沿ったロケットはどんな形なのかを、班内で意見を出しながらデザインを考えていきました。この時点でロケットの部品について説明はありませんでしたが、ロケットの簡単なイラストを参考に、機体の長さはどのくらいか、フィンの形はどうするか等を班で話し合って設計シートにまとめていました。設計はどの班も子供達の想像力が高く、色々と面白い形や構造について話すところが見られました。設計が決まれば開発に移りますが、そこでもマニュアルは存在ぜず、材料があらかじめ用意されている中で部品と本体の作り方を班で考える必要があります。部品を色々と作っていく班、設計に合うよう正確に作る班、作った部品を実験して比較していく班とそれぞれに違いが出ていました。作るロケットの戦略を考え始めてからここまで長い時間が経っていましたが、みんな時間を気にせず楽しそうに制作に取り組んでおり、私自身も観察していて面白かったです。

 

ロケットの設計シート 知識無しでも細かい所まで書けている

 

 機体が完成したら簡単に作ったロケットの発表を行い、その後屋外の発射場にて全班の打ち上げです。ミッション通りパラシュートを無事展開して回収できた班、パラシュートが開かず弾道落下してしまった班と結果は分かれましたが、最後の振り返りでは良かった点やどうすればより良くなったかまで話し合うことができており、生徒がしっかりと考えながら開発ができていたように見えました。

 

打ち上げ後の振り返り 汚れ防止のビニールシートは子供達にとって自由な開発ノート

 

 出された作り方に沿って作っていく工作教室の場合だと、参加者の完成品で違う点は外観のみで中身は同じですが、今回のワークショップのようにミッションを達成するにはどうしたらいいかを考えて作り方まで考えさせることで、どういったところに重点を置いて作ったか班ごとに完成品に特徴が生まれます。既存にとらわれない新しいものを生み出すにはミッションと比べながら「Aならば~、Bならば~」といった考え方をできることが必須です。正解の選択や結果までの筋道が決まった教育が多い中、明確に正解が決められていないものに対し自分自身に適した解法をつくることができるRocker Schoolのような講習会は非常に貴重です。

 また、必ずしも成功するとは限らないことを前提とし、失敗を恐れずに作れる環境も良かったと思います。もちろん実用の人工衛星・ロケットに失敗は許されず、リスクを熟知し失敗しないように試験や安全審査を入念に行いますが、まだそこまでいかない段階から失敗を気にしたり、ミスを責めたりしては、成功するために考えるよりも失敗を恐れて踏みとどまってしまい、未知のものや取り組みたいことに対して意欲的でなくなってしまいます。失敗事を含めた経験をたくさん積むことで挑戦への自信につながります。

 当センターでも1年生に対し衛星・ロケットの設計開発をする能力を学ぶためにCanSat実習を行っており、開発の中にミッションを決めてからそれを達成するための要求、要求を満たす仕様の検討と、システム思考を取り入れています。Rocket Schoolの内容と似ている所がいくつもあり、さらにCanSat実習でも新しく取り入れられそうな要素を多く見つけることができた良い機会でした。

 

書きたいことを長々と書き並べてしまった結果、この原稿を執筆時に12月が訪れてしまいました。年末に向けてやることが多いですが、今月も再r研究頑張っていきます。

 

 

用語

ワークショップ: 参加者が主体的に活動する講習会

モデルロケット: 火薬で飛ぶロケット 工作教室で見るようなペットボトルロケットと異なり、打ち上げるには関係者に専用の資格を持った人が必要 今回は小中学生でも作れる紙製で小型のロケットを作成

CanSat: 空き缶サイズの模擬人工衛星 主に教育目的で宇宙空間や惑星上で行うようなミッションを地上で実証する

 

イベント主催団体 School lab.

https://www.schoollab.online/