みなさんこんにちは!B4の上田です.これまでのブログの投稿間隔からすれば異常なほど早い更新ですが,以下の横田さんの記事を読んで感銘を受け,ブログを書きたくなりました.
横田さんと同じように,私も構造系(衛星の構造設計や環境試験を担当する)に属しており,昨年は現在運用中の「ひろがり」製造で横田さんにはとてもお世話になりました.横田さんが読書を好きなことを今回のブログで初めて知り,「読書を嗜む人がこんなに近くにいたんだ!」と嬉しくなりました.
横田さんが5月に読まれた本のひとつに「博士の愛した数式」がありますが,良い本ですよね!!(語彙力の無さ...).また,5月だけでこれほど多くの本を読んでいることに驚きました.特に宮部みゆきの本は大抵めっちゃ分厚いので,読むの大変だったのでは??でも,宮部みゆきの書く物語はそんなことを気にさせないほど面白いということだろうから,今度買って読んでみようと思います.
「読書の輪を広げよう」なんて大層なことをブログのタイトルにしてしまいましたが,実のところ読書を再びするようになったのは昨年4月の緊急事態宣言からで,私はいわゆる「にわか」なんですよね.ですので,1ヶ月で本を読み切ることは稀で,たいがい「積ん読」となって下宿の本棚にどんどん溜まっていってます.しかし,積ん読は課題と違って,なぜか溜めていても全く罪悪感がない,むしろ「こんなに読むべき本がある」とうれしくなってしまうのだから,本というものは不思議なものです.以下に途中まで読みつつ積ん読してしまっている本を紹介も兼ねて列挙してみます.
- 恩田陸「夜のピクニック」:言わずもがな,青春小説の王道ですね.雰囲気的に夜に読みたい本なので,なかなかページが進みません.(以前に2回ほど読了してます)
- 朝井リョウ「何様」:「何者」の切れ味に引かれて続編を購入したが,「何様」で心をえぐられた記憶が読むのを邪魔する.早く読みたい.
- 椎名誠「家族のあしあと」:戦後を家族とともに生きてきた筆者による私小説.精神の安定剤としてときどき読み進めてます.
- 重松清「ブランケット・キャッツ」:様々な猫と人の関係を描いた中編の物語で構成される本です.これも精神安定剤.
- スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ・三浦みどり[訳]:「戦争は女の顔をしていない」:WW2に従軍した女性たちの体験をまとめた新書.とても分厚い上に辛くなる話が多いのでなかなか読み進めずにいる.
- 永井均「倫理とはなにか」:対話形式で倫理を考える新書.難しすぎて読むと眠くなる.これは精神安定剤ではなく睡眠導入剤.
- 星新一「ボッコちゃん」:ショートショートなので一気読みするのにそもそも向いてない.空いた時間に一つずつ読んでいくのが最適.
実はこれ以外にも全く手をつけていない本が多くあるのですが,それらが「ある」こと自体が立派な読書経験だと開き直ることにします.
こんな感じで積ん読しがちな私ですが,直近2日で一気読みしてしまった本があります.重松清「その日のまえに」,この本は末期がんに罹り,若くして命を終えようとしている様々な人とその家族・知人をめぐるお話です.重松清の作品は昔から何故か好きで,これまでに「きみの友だち」「青い鳥」「流星ワゴン」「小さき者へ」「十字架」など多くの作品を読んできました.重松清の作品は不遇な人や何らかの辛い過去を背負った人を主人公に据えるので,なかなか読み進められないことが多いのです.
しかし,今回一気読みしてしまったのは,「生きられる日数が決まってしまったこと」に対する主人公たちの思いにどこか惹かれてしまったからです.若さゆえに「死にゆくこと」には無関心になりがちな私ですが,もし生きられる日数が決まってしまったらどんなふうに生きるのだろうか,そんなことを考えながらこの本を読んでいたら,あっという間に読み終えてしまいました.考えたとて答えは出ずに,今日ものうのうと生きてしまったわけですが,この無関心さは若い自分の特権で,幸せなことなんだろうなあと感じます.月並みな感想ですが,やはり重松清の作品は自分を静かに見つめ直す機会を与えてくれるなあと改めて感じました.
また,重松清の作品には「まいっちゃったなあ」というセリフがよく現れます.「その日のまえに」でもこの言葉は出てくるのですが,この言葉,絶妙だなあと思うんです.もしここに棒線を引いて「このときの登場人物の心情を答えなさい」と言われても,正直言葉を用いて説明できる気は全くしないんです.だけど,私にはたしかに登場人物の気持ちは「分かる」(気がする)んですよね.「まいっちゃったなあ」としか言いようのない感情が確かにあると,重松清の作品を読むといつも思います.もしかしたら,単に私の語彙力が足りないだけかもしれませんが,「わびしい」という言葉をすぐに英訳できないように,曖昧で簡潔に言い表せない感情は確実にあると思います.そんな感情を思い出させてくれるのも重松清の作品の良いところだなあと感じます.
さて,ふと読み返せば,中高生の読書感想文みたいなブログになってますね.最後になりますが,読書の良さは様々です.例えば,物語の登場人物や情景から久しく忘れていた記憶が呼び覚まされることがあります.加えて,呼び起こされた記憶から「自分はこれをこんなふうに認識してたんだなあ」と,カッコつけて言えば「知らない自分に出会う」ことができます.まあ,こんな難しいことを言わなくても,読書は「文章そのものを読んでいて気持ちいい」ことを思い出させてくれます.ぜひ,皆さんも読書をして,言葉の美しさを感じてみませんか?
あ,SSSRCのブログだからなんか工学的なことを書かないといけないですね.私は現在,あるコンテストのために,有志の同輩・後輩と一緒に超小型衛星の設計検討をしています.私はマネジメントとミッション部の設計検討を主に行なっています.電気回路や有限要素法,電磁気学などこれまでに学んだことのないことをたくさん学んで苦しんでますが,新しく何かを学ぶ・モノを作ることはやはり楽しいものですね.みんなで衛星を設計する能力を高めて,これからのSSSRCの発展に貢献できればいいなと思います.
おすすめ本
- ダン・ブラウン ラングドン教授シリーズ: 様々な美術作品を巡るサスペンスミステリー系の物語です.「ダ・ヴィンチ・コード」が有名ですが,ウイルスを扱った「インフェルノ」もおすすめです.
- 朝井リョウ「何者」: めちゃめちゃ有名な本ですね.正直この本を読んだせいで就活の際には大いに苦しむことになりそうです.就活の終わった先輩方には楽しく読んでいただけるのではないでしょうか.
- 重松清「青い鳥」: 人生で一番読み返した本です.この年になってようやく,主人公である先生が言う「間に合った」の意味が掴みかけてきました.どうやら阿部寛主演で映画化もしているようです.
- 朝井リョウ「時をかけるゆとり」「風と共にゆとりぬ」: 著者のバカバカしい体験が綴られた随筆です.活字で腹が捩れるほど笑った初の経験がこんなバカバカしい本になってしまい,悔しいです.
- 重松清「空より高く」: 奇術部の高校生を描いた青春小説です,単行本ではページの端が青く塗られていたので,手汗でインクが染み出し手が青くなったことが印象的でした.また,大学祭で奇術部の披露を見たときに,「小説で見たやつだ!」と嬉しくなったのも面白かったです.
- 米澤穂信「いまさら翼といわれても」(古典部シリーズ): 京アニの傑作「氷菓」の原作です.アニメから入りましたが,ため息がふっとでるような,静かな物語展開にすっかりはまってしまいました.