皆さんこんにちは.4回生になりました,構造系に所属している西川誠寿(まさとし)です.
SSSRCで打ち上げた衛星"ひろがり"は宇宙で大活躍を見せています.僕も少し運用に参加していますが,自分たちが作ったものが宇宙で活躍していると思うと,とても感慨深いと同時に未だに信じられない気持ちでいます.
そんな中で,僕たち構造系は安全審査班と構造解析班に分かれて活動を行っています.僕は主に安全審査班として活動しており,先日,新しく構造系に配属された2回生や構造解析班の人に向けて安全審査講習会を行いました.今回は,その安全審査講習会についてブログを執筆しようと思います.
安全審査講習会の様子
僕たちの衛星はISSのJ-SSODから打ち上げられます.そのため,宇宙飛行士やISSの機器に対して危害を加えないよう,安全性を確保していることを示さなければなりません.安全審査とは,簡単に言うと,その安全性が確保されていることを示すために試験をし,その試験結果をまとめた資料を作り,承認を得ることを言います.
僕たちの代の構造系はひろがりプロジェクトにも関わらせていただいたのですが,その際,安全審査に精通していることの重要性を知る出来事がありました.安全審査を進めていくにあたり,JAXAからの様々な要求を理解しなければなりません.僕たちはある程度の要求は把握していましたが,その内容を完全には理解していませんでした.その結果,制約により衛星本体を削ることは許されていないにもかかわらず,大きさの制約を満たすために,ひろがりの角を削るという暴挙に出てしまいました.この結果,このパネルは使えないことになってしまいました.ここでは,要求をしっかりと確認してから,変更を加えなければならないということを学びました.
削ってしまった衛星(角の銀の部分が削った場所)
この経験から,安全審査に必要な要求を把握し,実際の衛星の設計や変更に反映するために,構造系内での安全審査への意識を高めようと,今回の安全審査講習をしています.実際に行ってみると,J-SSODから放出される衛星に対する要求は膨大で,そのすべてを理解するのは困難だと分かりました.そのため,今回の講習では,失敗例(先輩などの経験談を含む)と大まかな要求の概要,安全審査の流れなど,基本的なことについて講習をしました.安全審査の内容は,大学で習う勉強や構造系のタスクなどと違い,なかなかイメージするのが難しく,達成度も分かりにくいという欠点があります.そのため,自分たちで問題を作り,理解度を測ろうと考えています(テストは今週末に行う予定です).実際に次の衛星で安全審査をするときには,大きな壁に当たることもあると思いますが,今回の講習が生きることを願っています.特に,要求の重要性やひろがりでの失敗の生かし方などを考えることで,安全審査や衛星の制約に関して意識を高く持ってもらえるとよいと思います.

