皆さんこんにちは、3年生の鈴木です。

昨日5月31日にアメリカの民間宇宙会社のSpaceXが史上初の快挙を成し遂げましたことはご存知でしょうか。今回はこのことがどれほど素晴らしいことであるのかを語ります。

 

まずこれまでの宇宙開発は国が主体となって進めていくことが基本であり、特に宇宙飛行についてはNASA(日本ではJAXA)を筆頭に運用されていました。これは宇宙に関係するプロジェクトの規模が大きいため高度な人材を一つに集める必要があり、安全面の十分な確保や費用も大きいことから国家プロジェクトとして運用した方がよいとされてきたからです。しかし国としても予算の問題で宇宙開発にあまり長年大金をつぎ込めない一方、現在では民間企業の技術力が向上したことや、クラウドファンディング等の財政支援により民間でも十分にロケットを開発できる環境が整いつつあります。その中でNASAが打ち上げ費用を軽減する目的で民間企業によるロケットの開発を促進する宇宙プログラムを募集したところSpaceXが有人宇宙飛行を行う企業として選ばれました。また、NASAは長年有人宇宙飛行にスペースシャトルを用いてきましたが、2011年にスペースシャトルの運用を終了して以来、9年間自国製による有人宇宙飛行が止まっていました。そのような背景もあり、今回の打ち上げには大きな期待がかかっていたのです。

 

そして昨日5月31日早朝(現地時間30日午後3時22分)、宇宙船「クルードラゴン」を搭載したロケット「ファルコン9」はアメリカのケネディ宇宙センターから宇宙飛行士2人を乗せて発射しました。その後、推進としての役目を終えたファルコン9は無事回収され、宇宙船も国際宇宙ステーション(ISS)との接続が完了しました。接続が完了した後、両方の搭乗者が顔を合わせる場面には私も感動しました。

発射場もケネディ宇宙センターという、これまでアポロ計画やスペースシャトル計画の発射地点として使われてきた場所から発射できたことは、SpaceXの実力と期待が今や国家と引けを取らないレベルに到達しているいることを示しています。

 

日本でロケットを開発する企業は、近年MOMOの打ち上げで業績を伸ばしているインターステラテクノロジズや再利用可能な航空機スタイルでプロジェクトを進めるPDエアロスペースが有名ですね。今回の打ち上げ成功を受けて、これらの企業はもちろん、人工衛星開発を行う企業や航空宇宙部品の製作に特化した企業でも大きな進展となるでしょう。

一方で、日本では多くの人にとって宇宙開発というものが一般の人の手の届かない高度で専門的な分野であると思われているためか、宇宙に関連する話題はあまり多くないように感じられます。しかし長年に渡る研究やそこに関わった大勢の人の努力により宇宙と人との隔たりは小さくなりつつもあります。日本の宇宙産業を強めるため、そしてより身近なものにするため、開発者はもちろん、その分野に少しでも関わっている私たちにはより多くの人に宇宙分野の面白さを伝えていく義務があります。

 

私たちの大学は今日から限定的ではありますが入構が可能になりました。1週間程前のH-ⅡBロケット9号機、こうのとり9号機の打ち上げに続き、今回の民間企業による有人宇宙飛行は、宇宙開発に関わる私たちにとって非常に喜ばしいことであり、励みにもなりました。研究開発の環境が元に戻っていく中でこのことを強く意識しながら活動を再開させていきます。