どうもお久しぶりです、三回生の長澤です。
これから投稿される予定のSSSRC11月号の方でも書きましたが、 最近では地球局・衛星局の免許周りについてや、地球局の新しいアンテナの建設関連、衛星局のアンテナの発注など主に事務的な仕事をメインにやってました。事務作業は開発作業とはまた違った大変さがあります。特に対応する対象がビジネスの人やお役所さんなので、言葉遣いを気を付けなければならないのが一番大変でした。僕はそういうビジネスメールには不慣れでしたのメールを作成するのも、とても時間がかかりましたね。まあこの経験を通じて、まだまだ未熟ですがだいぶマシにはなってきたかなと思います。免許関連で自分の印鑑を押すときの中間管理職がたまらなかったです...。
それはさておき、事務的作業はある規範にのっとって作業をおこなうので、その分野への経験値と視野が大きくなるのが良い点だと思います。先日ですが、SAR(安全評価報告書)という衛星のあらゆる安全面での評価をおこなったものをJAXAに対して提出しなければならず電源系と構造系が頭をひねらせていましたが、そこでの経験というのはきっと彼らの糧になると思います。
そんな事務作業ですが、僕の担当していた部分はなんとか終わりが見えてくる段階にまでやってきまして、久方ぶりに僕にも開発系のタスクを振ってもらえる機会がやってきました。では、何のタスクを振ってもらったかですが、「人工衛星に対して誤り訂正符号を搭載しよう!」というものでした。
皆さんは誤り訂正符号というものを聞いたことがありますか?たぶん聞いたことが無くても、その名前から何をするものなのかは一目瞭然だと思います。では「なんの誤りを訂正するための符号なのか?」というと、送られてきたデータの誤りを訂正するものです。「えっ?元データは手元に無いのにそんなこと可能なの?」と思うかもしれませんが、実は数学の力を借りるとこれを可能にすることができるのです。もともと送りたいと思っているデータに対して特別な数学処理を施してあげると、このプロセスにともなって受け取り側で解読してやればデータのどこが間違っているか見つけ出して訂正することができるのです。そしてこの数学処理を施してやったときに付随するデータ、これをまさに誤り訂正符号というのです。
ここで活躍するのは代数学という数学の単元なのですが、何を隠そうまっとうに代数学を学んだことの無い僕にとって、この手の類の記事や専門書を読むのはなかなか難儀を極めるものでした。しかし、新たに勉強することで自分の全く知らない世界が開けてくる高揚感は代えがたい喜びでもあります。ただ今回実装しようと思っている誤り訂正符号の形式は既にやり方が確立されたものですので、いかに自分たちの開発しているインターフェースと整合性を取るかが課題になります。したがって詳しい話はほどほどに実装できる手立てを見つけることが最優先になります。ここの区切り目というのが現場の難しいところとでもいえましょう。
ところで少し焦点を誤り訂正符号そのものに戻して、この誤り訂正符号が生活のいたるところに隠れていることはご存知ですか?一番皆さんにとって身近なものでいえば、CDにもこの技術が生かされていますし、SDカードなどにも用いられています。また普段当たり前に観ているテレビのデータにも使われていますし、世の中に出ている通信が関わる商品化されているもので言えば、逆に無いものを探す方が難しいといっても過言じゃないはずです。生活に隠れる無くてはならない技術というのを一度見直してみると、きっと興味深いですしインフラの大切さや基礎研究の重要性を再認識するいい機会になると思います。
高校時代に整数の単元を学んでたその時に、「整数の話は暗号とかの話やし、もうきっと高校数学をもってこの分野を触れることはないやろな、微分積分解析学が僕の生きる道(笑)」などと嘯いていた自分には到底考えられない状況が今生じているわけです。人生どこでどうつながるか分からないので、自分に関係が無いからとむやみに学ぶものを品定めしていてはダメだということです。何でもかんでも貪欲に知識を入れていくことが大切ですし、きっとそれを楽しみにできたら明日がもっと楽しみになると思います。
最後に表題にも上げましたが、間違ってもやり直しをして次のステップに行こうとする精神は非常に大切なことだと思います。ですが、ここで取り上げた誤り訂正符号でもわかるように、誤りというのはここにあるよと指摘されても(送り側の話)見聞の狭さゆえになんのことかわからない(受け取り側がロジックを理解してない)なんてことが起こりがちです。やり直ししたくてもやり直せないという悲しい状況です。そうならないためにも
指摘する側も相手側の分かりやすいように、受け取り側も見聞を広めるよう努めるべきです。そうすることでこそ何度でもあきらめずにやろうという環境が生まれてくるものです。
中々長かったと思いますがお付き合いいただきありがとうございました。それではまた記事を書く機会があればお会いしましょう。
SSSRC所属 三回生 長澤 恒聖