みなさま

柳田です.


本日はOPUSATの電源で起こった問題から

回路製作にあたっての注意点を少し・・・



■例えばバッテリーの電力からモータを駆動することを考えると


バッテリ---モータ


のようにつながるわけですが,実際は


バッテリ---(バッテリの内部抵抗+回路抵抗)---モータ


と,抵抗成分を考えておく方が無難です.

というのも,バッテリと回路部分で抵抗[Ω]×電流[A]だけ,電圧が降下してしまうからです.



■この場合,「とりあえずモータが回ればOK!」という事なら,特に抵抗は気にする必要はありません.

気にする必要があるのは,例えば

①「モーターの説明書に書いてある電圧以上の電圧を持ったバッテリを使っているのに,モータが回らないor遅い」

とか

②「モータとマイコンを同じバッテリで動かしたい」

とかの場合です.



①では,モータOFF時にバッテリの電圧を測ると十分な電圧があるように見えるんですが,実際モータON時にバッテリの電圧を計ってみると,「そりゃそうだわ・・・」というくらいバッテリ電圧が低く,モータの電圧に至っては更に低い事がありまして,それでモーターの回りが遅くなったり回らなかったりするわけです.

②では,同じくモータを回した時にバッテリの電圧が落ちてマイコンの動作電圧を下回る事があためです.(そうでなくてもモータを回すとノイズが発生してマイコンに悪影響があるんですが)


上記ではわかりやすくモータを使いましたが,ちょっと多めの電流が必要な機器(500mAくらい?)を使う場合も同様です.



■で,ここからが今回のテーマなんですが,「どうも回路で電圧降下してるようだから,回路の抵抗を計測しよう!」という場合について

まず思い付くのがテスターを抵抗測定モードにして測る方法かと思いますが,ここで気をつけたいのがテスターの誤差です.
(※ここでのテスターとはデジタルの意味で使ってます.針が指す値を読むアナログテスターについては他のページを参考にして下さい)


そもそもテスター精度と確度という2種類の誤差があるのですが,例えばSSSRCでは一番信頼性が高いテスターであるPC773を例に取ってみると

(クリックするとPC773の紹介ページが新しいウィンドウで開きます)

上記リンク先の仕様表では,抵抗については測定レンジの最小が110で,最高確度が±(0.3%+6),分解能が0.01Ωとなっています.

この場合,誤差は
最小レンジ×0.3% + 分解能×6
=110×0.0003+0.01Ω×6
=0.093Ω(=93mΩ)

となります.
衛星やカンサット,CEESなどの回路の抵抗がせいぜい数十mΩ~数百mΩであることを考えると,この誤差は結構大きいと実感してもらえると思います.



■ここまで来てやっと,テスターの抵抗レンジを使わずに回路の抵抗を測る方法が出てきます.

その方法は,
「抵抗値を計測したい部分に電流を流して,その電圧差をテスターの電圧レンジで読み取る」
というものです.

例えばある回路の抵抗値R[Ω]を測定したい場合,その回路に電流I[A]を流せば,R×I=⊿Vという具合に,回路の端っこ同士には⊿Vだけ電圧差が発生します.

実際の数字を入れると,回路に1A流して回路の端っこ同士の電圧差が0.1Vなら,0.1[V]/1[A]=0.1Ωという具合に,回路の抵抗が分かるわけです.

ちょと面倒ですが,なぜこの方法が有効かというと,多くのテスターでは,抵抗レンジよりも電圧レンジのほうが圧倒的に誤差が少ないためです.

さっきのPC773の例だと,直流電圧の最小計測レンジは110mVで,最高確度±(0.28%+2),分解能は0.01mVですから,

誤差
=0.11×0.00028+0.00001×2
=0.0000508V(=0.0508mV)

となり,抵抗レンジの1000倍くらい誤差が少ない事がわかります.


回路や配線,コネクタの抵抗を測る時は,ぜひこの方法を使って見て下さい.


ではではー



■■スキルアップ!

精度よく電圧を測定する方法は色々ありますが,「ケルビン接続」がなかなかポピュラーです.
これについては色々解説ページがあるので,自分にあったページを探してみて下さい!

■■アナログ回路の読み物

すでに他界されていますが,岡山努さんのブログがアナログ回路を勉強する際にとても助けになります.
時間があるときに(作ってでも!?)ぜひ読んで見て下さい.

アナログエンジニア