こんにちは,稲垣です.

さて本日は府大のMPPT制御装置に関してです.
昨日DCDCコンバータに関して書きましたがMPPT制御部も回路構成等はこれとほとんど変わりありません.MPPT制御装置にも降圧型や昇圧型が存在していて故障時や異常時の挙動が酷似しています.

性能に関しても昇圧型より降圧型の方が効率は良かったりします.
しかしキューブサットのように太陽電池の張り付け面積が小さい衛星では,太陽電池の直列枚数を稼ぐ事が出来ないので発生可能電圧がせいぜい5.5V位です.

このとき,太陽電池周りの信頼性を考慮すると回路構成はSEPIC型になるので,制御方法は一番簡単なPWM制御を使用すると,制御装置の出力電圧は制御PWM波のデゥーティー比に依存します.制御方法は山登り法であるとして最適動作点は簡単に見積もると4.4V付近になります
太陽電池での発生電圧が制御時には4.4Vであるとすると出力電圧は4.4V以下になってしまいます.人工衛星に使用できる昇圧型のDCDCコンバータで動作電圧の低いものでもせいぜい1Vくらいなのでディーティー比によっては出力電圧が1Vを下回ってしまい電源が停止してしまう可能性があります.周波数変更による制御法ならば大丈夫なのですが.
怖いですね.

こういった理由からMPPT制御部は市販の物でも少ない太陽電池セル数の物は昇圧型がほとんどです.
しかし,昇圧型でも欠点があります.
それは,出力される電圧値が高くなりすぎる事があるという事です.
これを解決するためにはデゥーティ―比に制御能力を落とさない程度に制限をかけてやるか設計段階で構ならないように電源バス内で常にあるいって量の電流を流してやる等の方法があります.

OPUSATでは両方の方法で対策をとっています.
制御のためのプログラム等も自作したのでなかなか大変でした.
また制御がおかしくなった場合に制御装置を外部から停止する事も重要です,なぜなら異常時はどこかしらショートや故障をしているがために制御がきかなくなっていたりするからです.その場合は上手くショート対策や冗長設計をすることで対処出来ます.
アナログの力が発揮されます.

またキューブサットのような人工衛星のMPPT制御装置は地上のMPPT制御装置とは大きく違うところがあります.
それは制御収束速度です.
地上や大きい人工衛星では姿勢制御がしっかりしているので最適動作点に到達する速度が遅くても問題無いのですが,キューブサットの場合はぐるぐる回ったりするので地上用のMPPT制御をしてしまうと逆に電力が減ってしまったりします.これを防ぐためには制御収束速度を出来る限り早くしてやるひつよがあるのです.
ここが一番気をつけなければいけないところです.
ちなみにOPUSAT追従効率98%収束速度0.3秒で最適動作点へ収束します.打上げまでにもう少し早くしますが.

制御性能に大きく影響してくるのが制御アルゴリズムです,プログラムの事です.
市販のICで良くあるのが電圧追従法と呼ばれる制御法,
家庭でよくつかわれている制御方法で山登り法という二つが代表的です.

この二つの共通の利点は大規模なシステムでなくとも実現しやすい事にあります.
つまり,小さな人工衛星でも本気で頑張れば何とかなるかもしれないのです.

長くなってしまったのできりが悪いですが今日はこの辺で,
ではでは