こんにちは,荒木俊輔です.

今日は私の所属する研究室について書きます.


航空宇宙工学演習Ⅰでは,1回生を対象に各研究室の紹介を行います.

私の所属する流体力学研究室では,スモークワイヤ法による流れの可視化を行っています.


スモークワイヤ法を簡単に説明すると,大きな扇風機の前に模型を置いて,

そこに煙を流して流れを可視化する方法のことを言います.

そしたらどうでしょう,翼周りの流れはこのように見えています.

$小型宇宙機システム研究センターのこんな日常

翼に沿って空気がきれいに流れているのがわかりますよね.


そして今度はデルタ翼.これは超音速戦闘機の形を模擬したものです.

デルタ翼の表面上に小さな渦が走っているのが見えますか?

$小型宇宙機システム研究センターのこんな日常

超音速戦闘機は低速領域ではこの渦を使って飛んでいます.

ここで,渦の中心圧力がどうなっているかを考えてみましょう.


もっと身近なもの,台風という大きな渦で考えたらわかりやすいかもしれません.

台風の勢力の強さが何で表わされているかを思い出してください.

そう,中心気圧です.

何とはなし(?)で中心気圧が低いほど強い台風ってのは皆さん知っておられるはずです.


おまけ画像①:Boeing787
$小型宇宙機システム研究センターのこんな日常
翼端渦が全く出てないのがわかります.
これは誘導抗力が小さいことを意味します.


デルタ翼で発生する渦も台風と同じで,中心圧力は周囲と比べて低くなっています.

では,その渦が翼面を走るとどうなるでしょうか?

翼は圧力の低い方,すなわち,上向きに引っ張られるのです.

低速領域においては,デルタ翼はこのようにして揚力を発生させているのです.

おもしろいですね~


そして極めつけはこの画像.

$小型宇宙機システム研究センターのこんな日常

SR-71ブラックバードの模型を入れてしまいました.

渦が出ているのが見えますよね?

これを見て一番喜んでいるのが私の担当教官である教授です.

「私にも見せてよ~」って言って,模型の真後ろに移動してました.

そう,1回生を押し退いて一番前に.


おまけ画像②:F-22
$小型宇宙機システム研究センターのこんな日常
渦の撮影はできてませんが,機体に沿ってきれいに
流れているのが確認できます.


なかなかこのような写真を見たことがない人もいたのではないでしょうか?

私も実際に見たのは3年ぶりで,きれいだなーって思いました.

そして,飛行機は本当に美しく作らないと飛ばないんだろうなって改めて思いました.


今回はこんな感じです.

私も夏休みになったらもうちょっとブログ更新できるかな?

それではまた.

荒木俊輔