皆さま、こんにちは。
だいぶ間が空いてしまいましたが、本日は「フェイスリフト」の中でも少し趣向を変えて、額・こめかみリフトにも深く関係するお話を。
「目の上がたるんできたなぁ……美容外科でなんとかできないかな?」
そう思って検索すると必ず出てくるのが“眉下切開”という手術です。
眉下切開とは、文字通り「眉毛の下の皮膚を切り取って、上まぶたのたるみをスッキリさせる」手術。
傷が眉毛の下の隠れるので欧米人と比較して傷が目立ちやすい日本人に適しており、かつ、厚ぼったい皮膚も取り除けるため、一見すると非常に理にかなった「お手軽で効果的な手術」に思えます。
しかし、ここには大きな落とし穴があるのです。
それは、
「術後に目と眉が近づきすぎてしまい、顔の印象がキツくなる人が一定数いる」
ということ。
なぜ、良かれと思って受けた手術でそんな現象が起きるのか?
そのメカニズムを詳しく解説しましょう。
眉毛は「頑張って」今の位置にいる
本来、加齢とともに額やこめかみはたるみ、それに引きずられて眉毛も下がってきます。
ところが、多くの場合は「前頭筋(額の筋肉)」が頑張って眉を上に引き上げ、無意識に視界を確保しようとしています。
どういうことかというと、
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加齢で額・こめかみがたるむ
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眉毛が下がる
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まぶたの皮膚が目に被さる
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視界が悪くなる(これ以上下げまいと、額の筋肉が眉を引き上げる)
という悪循環を食い止めるために「前頭筋」が頑張ってくれています。
この「頑張っている状態」で眉下切開を行うとどうなるでしょうか?
皮膚のたるみが物理的に無くなると、脳は「もう頑張らなくていいよ」と判断します。すると、額の筋肉がリラックスして眉毛が本来の(低い)位置までストンと落ちてしまうのです。
その結果、目と眉の距離が極端に縮まり、険しくキツい印象を与えてしまいます。
AIで比較する「眉が下がった印象の変化」
額のボトックスは「前頭筋」を弱めるボトックスなので、額のボトックスで失敗されたことがある方は直感的にこの状態が理解しやすいと思いますが、他の方もこの現象をイメージしやすくするために、AIに画像を作ってもらいました。
あくまで「眉下切開によって眉が落ちた状態」を想定した比較ですので瞼直上のたるみについては同じです。
眉下切開前イメージ
術後、眉が落ちた状態
いかがでしょうか。
どちらの方が、パッと見で「キツい印象」を受けるかは一目瞭然かと思います。
「どちらが若々しく見えるか」と聞かれれば、多くの方が一枚目(眉の位置が適切な方)を選ぶはずです。
厄介なのは、この眉の下垂が術後数ヶ月から1〜2年かけて徐々に起きてくるという点です(体感です)。
なぜ「眉下切開ブーム」は起きたのか?
眉下切開は短時間で施術でき、医師側にとっても参入障壁が比較的低い手術です。
SNSでは「目元だけ」をクローズアップした、眉が下がる前の(術後間もない)綺麗なBefore/Afterが溢れています。
この「部分的な成功例」の拡散が、現在の眉下切開ブームを加速させた一因と言えるでしょう。
もちろん、熟練の先生方はこのデメリットを熟知しており、「眉下切開が適応となる人は、世間で思われているほど多くはない」と警鐘を鳴らされてきました。しかし、SNSの勢いには勝てず...
患者さんご自身でも気づかないうちに「たるみは取れたけれど、なんだか顔が怖くなった……」という状態に陥っている方が少なくありません。さらに悲しいことに、本人は「まぶたの処置は終わったはず」という先入観があるため、若見えしない原因が「まぶたより上(額やこめかみ)」にあることに辿り着けず、いつまでも理想の顔貌になれないという迷宮に入り込んでしまうのです。
また、上述したように眉下切開は日本人にとって良い手術なのですが、この眉毛下がる現象はアジア人で起きる確率が高いことも、悲しいことに最近の研究でわかっています...
たるみの「根本原因」はどこにある?
そもそも、上まぶたのたるみは「額・こめかみのたるみ」のしわ寄せを受けた、いわば“被害者”です。
被害者であるまぶたの皮膚を切り取るだけで、原因である上方のたるみを無視すれば、どこかに歪みが来るのは容易に想像がつきますよね。(※もちろん、眉下切開がバッチリ決まる方もいらっしゃいますが、全員に適した魔法の杖ではありません)
「じゃあ、どうすれば自然に上まぶたのたるみを解決できるの?」
その答えこそが、額・こめかみリフトなのです。
……とお話ししたいところですが、少し長くなりましたので、この続きはまた次回に。
本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
ではでは。











