みなさま、こんにちは。佐々木です。
さて、前回予告した通り、今回は
内視鏡もしくは内視鏡スタイル(小切開)で、額・こめかみのたるみを取る方法
について書いていきます。
まだ前回の記事を読んでいない方はこちらも読んでくださいなー。
前回の記事でも書いた通り、額・こめかみのたるみを取る方法は、大きく分けると
・生え際などに比較的大きな切開を置いて、余った皮膚を直接取る方法
・内視鏡もしくは内視鏡スタイル(小切開)で、額・こめかみを引き上げる方法
があります。
たるみ取りの原理をざっくり書くと、
・大きな切開を伴うたるみ取り
→ 生え際から眉毛の方向に向かって皮膚をめくり、余った皮膚を切除する
・内視鏡もしくは内視鏡スタイル(小切開)のたるみ取り
→ 小さい切開から、眉毛〜頭頂部にかけて、頭皮・表情筋・骨膜をヘルメットのように一体で動かせる状態にして、骨に対して後ろ上方へ固定し直す
といった感じです。
もっと簡単に言えば、
余った皮膚を生え際で取ってしまうのか。
それとも、たるんだ組織を本来あるべき方向へ戻して、頭頂部側へ分散させるのか。
そんな違いです。
ここで「分散させる」と書くと、内視鏡もしくは内視鏡スタイル(小切開)のたるみ取りは、なんとなく“劣化版のたるみ取り”のように見えるかもしれません。
でも、実はそんなことはありません。
むしろ、こちらの方がより自然なたるみ取りになることも多いです。
というのも、顔の組織は層構造になっているのですが、加齢によってたるんでくるのは皮膚だけではありません。
皮膚、皮下脂肪、表情筋といった組織は、それぞれバラバラに落ちるというより、ひとつのユニットとして一緒にたるんできます。
このあたりはかなり大事な考え方です。
詳しくは私のYouTubeでもお話ししていますが、表情筋・皮下脂肪・皮膚というのは、もともとかなり密接につながった一つのユニットです。
つまり、加齢とともに下がってきたそのユニットを、なるべくユニットのまま元の位置に戻してあげる。
これが、内視鏡もしくは内視鏡スタイル(小切開)による額・こめかみリフトの考え方です。
そういう意味では、本来のアンチエイジングという観点から見ると、内視鏡もしくは小切開スタイルの前額リフトは非常に理にかなった手術になります。
もちろん、前回の記事で書いたように、それぞれの方法には長所・短所があります。
なので実際には、患者さんのたるみ方、額の広さ、生え際の位置、傷の許容度、ダウンタイム、求める変化などを総合的に見て、どの術式が合うかを相談して決めていきます。
さて。
ここで皆さん、こう思ったかもしれません。
なぜ、わざわざ「内視鏡もしくは内視鏡スタイル(小切開)」なんて、こんなにくどく書いているのか。
もうね、書いている本人もくどいなと思っています。笑
でも、ここには少し歴史的な背景があります。
実は、内視鏡リフト自体はかなり昔からある施術です。
海外にやや遅れる形ではありますが、日本にもかなり前から導入されていました。
ただ、当初の日本では思ったほど成績が安定せず、一度あまり行われなくなった時期があります。
では、その間に海外では何が起きていたのか。
海外では、内視鏡を使って行っていた前額リフトとかなり近いことを、内視鏡を使わずに小切開で行う方法が発展していきました。
なぜか。
理由の一つは、内視鏡がとても高価だからです。
現在の日本でも、内視鏡のシステムは安いものでも数百万円、高いものでは2000万円前後することもあります。
海外でも同じようにコストの問題があり、すべての施設が簡単に導入できるものではありません。
そのため、内視鏡と同じような効果を目指しながら、内視鏡を使わずに小切開で行う方法が発展してきたわけです。
さらに興味深いことに、内視鏡を使わずに行う小切開の方法の方が、成績が良いとする報告もあります。
「え、内視鏡を使った方がよく見えるんだから、そっちの方が良いんじゃないの?」
と思いますよね。
普通はそう思います。私も最初はそう思いました。
ただ、内視鏡という道具を一度手放したからこそ、術者が工夫せざるを得なかった部分があります。
その中で生まれたある操作が、実は前額リフトの効果を高めるうえで非常に重要だったのです。
このあたりを詳しく書くとかなり医学的な話になってしまうので、ここでは割愛します。
要するに、
内視鏡を使わない方法が発展したことで、逆に「内視鏡前額リフトをしっかり効かせるために必要なポイント」が見えてきた
ということです。
その後、海外では改めて内視鏡を用いたフェイスリフトが注目されるようになり、多くの施設で内視鏡が導入されるようになりました。その流れの中で、内視鏡を用いた前額リフトも再び発展してきました。
現在、日本でも内視鏡による前額リフトがまた注目されるようになっています。
これは非常に良い流れだと思います。
ただし、ここで大事なのは、昔日本で行われていた内視鏡リフトをそのまま焼き直すだけでは不十分だということです。
昔の内視鏡前額リフトのどこに限界があったのか。
海外で小切開スタイルが発展する中で、どのような工夫が加わってきたのか。
そして、現代の内視鏡前額リフトでは、過去の欠点をどう補うべきなのか。
このあたりをきちんと理解したうえで手術を行わないと、せっかく内視鏡を使っても、十分な効果が得られない可能性があります。
内視鏡を使うかどうかそのものが本質なのではありません。
大事なのは、
どの層を動かしているのか。
どこまでしっかり剥離しているのか。
何をどの方向に固定しているのか。
その操作が、患者さんのたるみ方に合っているのか。
ここです。
ここを理解せずに「内視鏡だから自然」「小切開だから低侵襲」とだけ考えてしまうと、少し話がズレてしまいます。
というわけで、3回にわたって、上まぶたのたるみ治療に重要な額・こめかみリフトについて説明させていただきました。
上まぶたのたるみというと、どうしても眉下切開や二重の手術に目が行きがちです。
もちろん、それらが適している方もたくさんいらっしゃいます。
ただ、そのたるみの原因が本当にまぶただけにあるのか。
額やこめかみのたるみが、上まぶたにしわ寄せを作っていないか。
ここを見極めることが、自然な若返りにはとても大切です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
このブログでは、美容医療について少し踏み込んだ内容をなるべくわかりやすく書いていますが、InstagramやYouTubeでは症例や動画での解説も発信しています。
文章だけでは伝わりにくい部分もあると思いますので、よければ各SNSものぞいてみてください。
今後ともよろしくお願いいたします。
ではでは。






