2回観た時点での感想です。
難解な作品だったらどうしようと若干心配もしていたんですが
細部の一つ一つがどうしようもなく心に響く作品でした。
大きく分けると中年世代として分かるところと、郷愁でしょうかね。
私は江戸っ子なので自然に囲まれた風景に郷愁は湧かないはずなんですが
昭和生まれ、自営業の多い下町育ちのせいか、
紘の事務所も炭焼き小屋も、光彦の店も、初乃のお父さんや光彦のお父さんも
不思議なまでに懐かしく感じました。
こういう世界は確かにあったのに、当たり前にそこにあったのに。
様々なことを天秤にかけたら決して戻りたいわけではないし、
時代は進むしかなく、でも感傷に浸りたいこともある、みたいな不思議な感情。
そして役者稲垣吾郎
の新境地だとも思います。
ヒゲ吾郎好きじゃないんだよなぁなんて思っていましたが![]()
紘さん役はヒゲなしではあり得ませんでしたね。
炭焼き職人という響きから芸術家的
なイメージを持っていたのですが
伐採から販売まで一人でこなすという体力勝負のお仕事![]()
この役柄を細身の吾郎ちゃんが演じるには、
あのヒゲも重要な演出の一つになっていたかと思います。
さて、まずは舞台挨拶時の話。
上映後だったので具体的な話がメインでした。
監督からは、ラスト、エンドロール前の木々から空に視界が上がっていくシーンで
空に雲が三つ浮かんでいることにこだわり、なんとあの雲は合成したとの話でした。
同級生三人組であり、三人家族であり。
当然、初回は見逃していたので、2度目でしっかり見てきました![]()
吾郎ちゃんからは、明を迎えに行った駐車場で風が強くて髪の毛が気になった話と
夫婦でミカンを食べるシーンで頭にタオルを巻くのを嫌がった話が出てました。
あと、生の渋川さんの話を聞いて、まるで光彦とは似通らない姿に
光彦は完璧に演技なんだなぁと、その演技力にも驚きました![]()
さて、以下はネタバレで感想を書きましたので、
未見の方はぜひとも映画を観てから読みに来てください![]()
吾郎ちゃんが、みなさんは驚いただろうけれど
僕なら冒頭で、喪服の二人を見て紘が亡くなることは予測できる![]()
と語っていたんですが![]()
実は私も、瑛介が三人で埋めた箱を探しているという話が出た時点で
三人の箱を二人で掘り起こしている、しかもそこからの回想ということに引っ掛かり
きっと紘は亡くなるんだな、と思いながら観ていました。
予測はしていたんですが、亡くなり方と池脇さんの演技にすっかりやられてしまい
分かった上の2度目に見ても、やっぱり泣けて仕方ありませんでした。
池脇さん、本当に可愛かったなぁ。
旅館への売り込み以外で可愛い演出は特にないし、恋愛映画的なラブラブ感もないのに
旦那さんへの愛に溢れていて、子どもともきちんと向き合っていて、
見事なまでの可愛いお母ちゃんっぷりでした。
ちなみに電車内で倒れこむ池脇さんを外から映したワンシーンは、
なかなかカメラがうまく捉えられず何度もやり直した渾身のシーンだそうです。
