本屋さんで見かけて、思わず「おっ!」と手に取ってしまった本。
マガジンハウスから出ている、Casa BRUTUSと&Premium特別編集の『ミナペルホネンと皆川明 30周年版』です。少し前に発売されたムック本のようですが、本屋さんの棚でひと際存在感を放っていました。

その誌面に載っていた創設者の皆川明さんのご自宅が、本当に素敵で……ラブラブ
流行りや世間の正解ではなく、「自分が本当にいいと思ったもの」だけに囲まれているその空間は、まさにその人自身の生き方そのものが表れているようでした。

特に目を奪われたのが、三谷龍二さんの木彫りのお皿。
温かみがあるのに洗練されていて、とっても素敵なんです。「私もこれ欲しいなぁ。本物は木だけど、今度陶芸に行ったときにインスパイアされたものを自分で作ってみようかな?」なんて妄想が膨んでしまいました。

そんな素敵な誌面をめくっていたら、以前に行ったミナペルホネンの展覧会の記憶が鮮明に蘇ってきました。

行く前は見聞きするくらいだったのですが、何か心に惹かれるものがあって足を運んだその展覧会。会場に一歩足を踏み入れた瞬間、その素晴らしい世界観に一気に引き込まれました。


そこにあったのは、流行を追うのとは対極にある、ただひたすらに「作りたいものを作る」という愛が詰まった圧倒的な空間でした。
デザイナーの皆川さんと田中景子さんが生み出す、切り絵のようなテキスタイルや原画の数々。


特に印象的だったのが、ガラス貼りになっていた二人の作業部屋の再現スペースです。
すっきりと綺麗に片付いているのに、壁には子供の絵などが自然に貼られていて、本当に素敵でした。

そういえば以前、東京ステーションギャラリーで開催された「テレンス・コンラン展」に行ったときも、彼の自邸の仕事部屋の写真パネルが飾られていたのを思い出します。
写真に写る彼の部屋も、整理整頓はされているのに自分の好きなものがぎゅっと飾られていました。飾ってあるもののジャンルに統一感はないはずなのに、その人本人の「好み」というフィルターで選ばれているからこそ、不思議な調和と素晴らしいセンスが漂っているんですよね。

ミナペルホネンの世界観全体が、まさにそういう「個人の美学」に満ちた空間でした。

私が行ったのは最終日だったこともあり、会場はものすごい激混み。
ですが最終日だからこそ、なんと皆川さんご本人が会場にいらっしゃったんですひらめきひらめき
お見かけした瞬間、「あぁ、本当の意味でセンスがある人というのは、きっとこういう佇まいの人のことを言うんだろうな」と、そのお人柄にじんわり感動してしまいました。

展示を見終わったあと、緑豊かな砧公園を歩いて帰ったのですが、すれ違う人たちがみんなミナペルホネンの服を着たり、バッグを持ったりして歩いている光景すらも、ひとつのアートのように美しかったです。

その背景にある「いいと思ったものを貫くセンス」に触れ、私もあんな風に自分の感性を磨いて、お気に入りに囲まれた空間に住みたいなぁと、強く刺激をもらった一日でした。