
今夜はバイオリニスト石川寛子さんが出演する「習志野BRAND演奏会」におじゃましました。
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習志野BRAND演奏会とは、「習志野から音文化を発信しよう!」というかけ声のもと、習志野第一病院とレストラン「キャラバンサライ」、そしてTokyoBayミュージシャンズクラブが共催する「生きた音楽を身近なものにするための音楽会」です。
会場はカジュアルなレストラン。表からみるより中はずっと広く、パーティションで区切られたいくつかの部屋は食事を楽しむお客さん達で賑わっていました。
お食事の広間に案内されワインや料理を楽しんで、ちょっとほろ酔いになったところで演奏ための特別な部屋へ。
何度か聴いた石川寛子さんのファミリー向けの親しみやすい構成のコンサートや、ルーテル市ヶ谷で聴いたフランス近代をテーマにした鋭角で抽象的で前衛的な想念の演奏はどれも素晴らしかったのですが、前からお誘いを受けていたタンゴのユニットの演奏はなかなか都合がつかず今回が初めて。
果たして「生きた音楽」ってなんだろうな?と思っていました。
一曲目のジュピターから始まってPor una Cabezaあたりまでは正直なんだかこの意味がわからなかった。演奏はもちろん素晴らしいんですが。おなじみの曲を楽しみました。
NOCTURNA あたりからじわじわと。
これかあ!
タンゴって社交ダンスとかで使われてるゆるいイメージしかなかったのですが、違ってました。
弓を弾き全身で演奏をする石川寛子さん。そこに居るのは二児の母ではなく、また子ども向けの演奏をする優しい目をした演奏家でもなく、抽象的な技巧をなんなくこなすトップバイオリニストでもなく、(彼女の場合すべて当てはまるのですが)一人の女性だったのです。生きてく上で感じる情念とか哀愁とか、もっともっと生のもの、そんなものがダイレクトにほとばしってくる演奏でした。

さてさてタンゴの世界をより魅力的に盛り上げてくれるのがバンドネオンというオルガンに近い減衰しない透明な音色の楽器。今じゃコレを作れる人は日本に二人しかいないという貴重な楽器です。秦野貴幸さんは自分で作ろうと試みている最中だそうです。ところが非常にこれがクセのある楽器と言うか、鍵盤にあたる左右のボタンは材料もミルクから作ったり、運指も不可思議な配列で特別です。アコーディオンとは全く別の進化を遂げたのです。呼吸するみたいな表現もあり、本当に不思議な楽器です。
ピアノの 長谷川芙佐子さんも加わり三人が織りなすアウト・オブ・スタンダードなタンゴの深層へとぐいぐいと吸い込まれて行きました。
タンゴに詳しい人にとってはこれがスタンダードなのかもしれないけどね。
昨日はリベルテのマンドリンアンサンブルで数が織りなす不思議やすごさを味わいました。今夜は石川寛子さんのタンゴのバイオリンを聴いて「女の情念」のすごさを感じました。共通しているのは『アウト・オブ・スタンダード』
今僕たちにもっとも必要とされているのは「あたりまえと思われているのものから一歩踏み出す力」なのかもしれません。
発露と探求。
音楽の世界では多くの個々の演奏家や作曲家、編曲家達が絶えずこのような探求を行っているようです。言い換えればそれは現代に生きる我々が「今の時代においてより居心地の良い場所や方法を見つけて身につけること」に他なりません。
11.11.24
石川寛子(ヴァイオリン) 長谷川芙佐子(ピアノ) & 秦野貴幸(バンドネオン)
in キャラバンサライ
プログラム
(お食事タイム)
ジュピター
月の光
ラプソディー・イン・ブルー
ポル・ウナ・カベーサ
ノクトゥルナ
私の隠れ家
コラソン・デ・オーロ(黄金の心)
ラ・クンバルシータ
(休憩:お食事タイム)
チャルダーシュ
タイスの瞑想曲
想いの届く日
オプリビオン
デカシリモ
天使のミロンガ
ミロンタンゴ
ブエノスアイレスの冬
