【声優コース】どうやって勉強してる？

こんにちは
S&S声優コースの佐山です

突然ですが、

声優という職業に就くことを目指す皆さんは、
普段何を心がけていますか？

よく、
「声優になる上で何を心がけるべきですか？」
という質問を受けることがあるのですが、
質問主さんも既に

ご自身で行なっていることはあると思います。
そこで、

「ご自身では今、何をしているのですか？」

とまずは聞いてみます。

すると、ほとんどの人が
「アニメを週に〇本見ている」
「洋画の吹き替え版を週に〇本見ている」
など、声優さんがお芝居をしている作品を
とにかくたくさん見る、
ということをしている方が多いです。

他には、毎日滑舌練習をするとか、
本を声に出して読むとか、
基礎トレーニングを行うなど。

基礎トレーニングは当然のこととして
一旦置いておいて。

アニメや吹き替え作品を
たくさん観ることは、
ある意味で勉強ではあるとは思います。

ですが、
「演技の勉強とは言えない」
ということを、

理解することができますか？

作品をたくさん観ることが、
何の勉強にもならない
ということではありません。

ただ、作品をたくさん観ることが
演技の勉強だと思っているならば、
実は少し違います。

人気声優や大御所声優まで、
様々なお芝居の仕方を観ることで
様々な演じ方を知ることはできます。
ですが、
演じている役者さんの中で
何が起きているかは、
画面上では見えません。

それはそうですよね、

画面に映るのは

二次元のキャラクターか、

外国人です

実際に芝居している役者さんではなく、
アニメや吹替え版の映画を観ることで、
役柄のイメージに対する台詞の「言い方」を
固定してしまうことがあるのです。

いくら声優が

「声だけで演じる」と言われても、

（とは言え私は「声だけで演じる」という表現はしませんが）

イメージだけで台詞を喋っているわけではありません。

皆、役の内面に起きていること、
感情の流れ、感覚、行動目的を、
自分のものとして感じ、演じています。

演じている役者さんの表情や、

マイク前だとしても微かな身体の反応を

目にすることができれば、

どれだけ役として生きているか、

感じ取ることもできるかもしれません。

ですが、

アニメや吹替え版の洋画を観ても、

役者さんの表現を“声”だけ聴き、

それを取り入れようとしても、

内面で感じること、

その人として生きることを飛ばして、

「声」や「言い方」の

真似をするだけになってしまいがちです。

それよりも、

自分の知る世界の視野を広げることや、

自分自身と正面から向き合い

自分の感情や感覚を感じること、

自分のことも、

自分以外のことも、

「知る」ことからしか始まらないのです。

“演技”の引き出しというのは、

自分がわかっていることからしか

作れませんからね

視野を広げるとか、

引き出しを増やすという意味で、

「見る」と良いと思うのは、
声優とは全く関係ない職業の方を追った
ドキュメンタリー番組などでしょうか

『情熱大陸』
『プロフェッショナル仕事の流儀』
『ガイアの夜明け』
『ザ・ノンフィクション』

…のような
様々なドキュメンタリー番組や、
時々2時間スペシャルなどで放映される
『密着！〇〇24時』のような番組、
ニュースや情報番組も参考になるかと思います。

また、「聴く」もあって、

声優さんは当たり前ですが

声を武器にしているので、

ラジオ番組を持っていたり、

出演している作品のラジオ番組が

毎クール何かしらあることも多いです。

番組内では、

作品とどう向き合っているのか、

台本とどう向き合っているのか、

声優として作品を作る歯車の一部として
どんな意識でいるのか…

そんな話もされていますので、
そういった、
一人一人が仕事と向き合う姿勢を知ることも、
勉強の一つと言えます。

また、ラジオというのは

ただ台本通りに話すのではなく、

自身の知識や経験も問われる仕事なので、

（↑と、先日とあるラジオで堀内賢雄さんが仰ってました）

やはり広い視野を持つこと、

とにかく「知る」こと、

「知ろうとする」ことは、

とても大切なことだと思います。

活躍されている声優さんが演じる役の

「言い方」を真似するよりも、
演技をどう考え、
台本に対して、役に対して
どう取り組んでいるのか。

たまに声優さんのドキュメンタリーもありますよね！
現場での様子や普段の様子、
何を考えているのか語ったりもされているから、
絶好のチャンスかもしれません♪

そうして、

生き方や考え方を知ったり
そちらを真似した方が、
余程「声優として生きる」上での
参考になるのではないかと思いますし、

勉強になるのではないかと思います。
（但し人によって合う合わないはあるので、精査は必要です^^;）

だからと言って、

アニメや吹替え版の映画をたくさん観ることは

勉強にならないと言っているのではありません

キャラや世界観の勉強と、
演技やプロ意識の勉強は、
アプローチの仕方がだいぶ違うので、
自分が今取り組んでいるのは
何に繋がる勉強かな？
とわかった上で、
アニメや吹き替え作品を観たり、
テレビを観たりラジオを聴いたりなど
されてみると良いと思います

今自分が取り組んでいることが
何につながっているのか。

「わかっていること」

が大切です
是非意識してみてくださいね