この本は、5年生くらいの時、本を読むのがおもしろくて毎日のように放課後は図書館で読んでいました。その中で、記憶に残るのが、この本でした。卒業後も、何かの拍子で思い出し、また読んで見たいと思うこともたびたびありながら55年も過ぎてしまいました。題名も忘れ、もうあの本を読むのは無理とあきらめていましたが、ネットで質問したところ、親切な方が、本の一部の内容から、それは「きょうも生きて」ではないですかと教えていただきました。戦後、母親と満州から引き上げてきた姉弟と母親の話で、もう貧乏のどん底の家族の話でした。日本に帰ってきて、兵庫県の父親の実家に戻り、牛小屋の上に住まわせてもらい、紙の布団を引いて寝ている3人の親子の話です。父親は満州で自殺して、恩給ももらえず、姉弟は小学校は行きましたが、着た切り雀のぼろ服で過ごしていたのです。母親は神戸や大阪へ闇米を電車に乗って売りに行き生活をしようとしましたが、警察に捕まって米を取り上げられたり大変でした、最後には母親は栄養失調で目を悪くして行きます。
私が覚えていたのは、姉のとし子が5年生で修学旅行に行くことになりましたが、着ていく服がなく、母親が心配して元は白かったセーターを染めたらどうかとの話になり、弟とタンポポを摘みに出かけ、黄色に染めたのです。しかし旅行の最中に、雨が降ってきたら黄色の色がどんどん流れてまた薄黒い色に戻ってしまうことの話を覚えていて、この話をネットで訊いたところ、この本であることを教えてもらったのです。話としては、逆算すると昭和25,26年頃のまだ日本が貧しい時代でもさらに貧しい家族の話で、あまりに可愛そうで覚えていたのです。調べたところ、1977年に再発行されましたが、今は絶版で、現在はどうしてもこの本は手に入りません。しかし地区の図書館で調べたところ、何とか借りることが出来ました。今、読み始めましたが、現代の子供たちにはこんな貧しい生活は理解出来ないと思います。(続き)
