第26章 夢見る夢は果てしなく
第15話
審神者は本堂で舞を舞う日が多くなった。
「♪空に抱かれ流るるまま♪闇を照らすは空鏡♪命燃やし徒然なるままに♪今、見上げたものに何を想おう…」
幽幻な舞を舞う審神者に近づくのは三日月宗近。
「月に叢雲花に風…か」
「……」
「花に嵐のたとえもあるさ…」
「……」
「…さよならだけが人生だ…」
「…(怒)お主、喧しいわ!(怒)」
審神者は三日月宗近が気を散らしてる事に気付いた。
「はっはっはっ…ジジィの戯れだ…気を悪くしたか。許せ」
「…用件を言え…(怒)さもなくば、金輪際敷居を跨ぐ勿れ(怒)」
「はっはっはっ…まぁ待て…焦らずとも良い…急いては事を仕損じるからな…用と言えば用だが、近侍がお主を探してたぞ」
小狐丸が審神者を探してたと告げる三日月宗近。
「…真か?」
「嘘は言っておらぬ」
「すぐ参る。暫し待たれよと伝えておけ」
「あい分かった」
三日月宗近はお辞儀して、本堂を去った。
「…去ったか…聚楽第、文久土佐、天保江戸、慶長熊本…教科書から削除された歴史的な出来事がまだたくさんある…」
審神者はまだ見ぬ刀剣男士の名を呟いた。
「鬼神丸国重…斎藤一の刀剣男士がどんな姿でも構わないが…お主らはどんな姿か想像出来るのだろうな?加州清光…大和守安定…」
「あちゃー(汗)バレたか…(汗)」
「もう!(怒)清光が主の行き先追いかけようとするからだよ!(怒)」
「フッ、ははは!(笑)」
「は?(汗)」
「えっ?!(汗)」
審神者が大笑いした事に驚きを隠せない。
「可愛い奴め…遊びに来たわけでは無かろうな?」
「!」
「何でそれを…(汗)」
「…ふむ?なるほどな…これより帰られるべし」
「えっ?!(汗)何て?(汗)」
「安定、帰ろう。もうすぐ夕餉だし?(嘘)」
加州清光は大和守安定の首根っこを掴んで、本堂を去った。すれ違いざまに小狐丸が来た。
「ぬしさま、今後の任務についての話し合いがございます…それ故に、軍議の方は如何致しましょうか?」
審神者は自分の任務をする時の顔をして、本堂を去った。
(やはり、人知れず舞を舞っておりましたね…(汗))
審神者は心の迷いが出ると必ず人知れず舞を舞う。それを知ってるのは三日月宗近と小狐丸だけだ。
「夢見る夢は果てしなく続く…終わり無き世界の果てに何があるのだろう…」
戦いのその果てには何があるのだろう…
切り裂いた空の向こうには何が見えるのだろう…
自問自答する時が度々出る。刀剣男士達は、その答えをずっと探しているのだ。
俺は走り抜ける…その先にあるものか─