刀剣乱舞小説152 | 美桜@マユのブログ

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日常の話は感じた事をありのままに伝えてます。

刀剣乱舞小説
第26章 夢見る夢は果てしなく
第10話

 夏にはまだ早いが、にっかり青江主催の怪奇譚が行われた。
「─これにて、了(おしまい)」
フッと蝋燭の火を吹き消すにっかり青江。
「うわぁ…(怖汗)ビビった…(怖汗)」
「まぁ、序の口だよ?ふふふ♪次は…主…」
蝋燭の陽炎が揺らめく。その灯りに照らされた審神者の顔が妖しげだ。
「魂の行方も知らず迷わまし(←神道の祝詞の一部)…生きてる人間が一番怖いけどね…ふふふ…(妖笑)さて…これは…半分実話ですよ…(妖笑)私が体験した夢の話…私はとある電車に乗っていたんだ…乗客は皆知った顔だった…何故か違和感がある…そう、その乗客は皆故人だ…私は降りる駅を乗り過ごしてしまった…その時、誰かが還る場所に還りなさいと背中を押してくれた…もし、あのままずっと乗り過ごしたままだったら、私は─…これにて、了(おしまい)」
フッと蝋燭の火を吹き消した審神者。
「ひぃ…怖すぎ!(怖汗)」
加州清光は大和守安定と抱き合ってガクブルと震えた。
「でも、生きてて良かったじゃねぇか…(怖汗)」
和泉守兼定が堀川国広の服を掴んでガタガタ震えた。
「さて、お開きにしようか?もう遅いようだし…」
それぞれ寝室に戻った。
「あー、ビビった…(怖汗)にっかり青江の怪奇譚はシャレになんねぇし、主の話はリアル過ぎだし…(怖汗)」
厚藤四郎がガクブルと枕を抱えて震えた。
「では、皆、ちゃんと寝るんだよ!厠に行きたいなら、先に行く事!分かったね?」
一期一振が部屋を去ろうとした。
「ええっ?!(怖汗)ちょっと待ってよ〜!(怖汗)いち兄!(怖泣)一緒に寝てよ〜!(怖泣)」
乱藤四郎が一期一振の身体を掴んで引き止めた。
「ダメです!(怒)離しなさい!(怒)にっかり青江の話を聞いたのは自業自得でしょう?(怒)」
「そんな…(泣)」
「秋田…もし、怖くて寝れないなら…」
一期一振は秋田藤四郎と仲が良い小夜左文字の部屋に行くよう促したが、
「いち兄…僕…いち兄と一緒に寝たいです…(泣)」
と秋田藤四郎は一期一振に本音を言った。
「えっ…(汗)秋田…(汗)何故?(汗)」

『秋田君は…情緒不安定な状態です…厠に行く夢を毎日見てるのは、人に頼ってはいけないと自己暗示してしまったからなんです…まだ治らないようですが、原因が判明しました…頼れる相手があなたしかいません…出来るだけ、秋田君の傍に居てあげてください』

色黒の医師が言った言葉が蘇る。
「分かりました…(汗)秋田がそう言うなら、仕方がありませんな…(汗)」
「いち兄…(泣)」
秋田藤四郎は一期一振と一緒に寝る事になった。
「ねぇ、いち兄…本丸に来たばかりの事…覚えてますか?」
「…っ(恥汗)緊張で夜寝る前、厠に行くのを忘れた時ですか…(恥汗)あの時、秋田の前で泣いたんですな…(恥汗)」
「はい…ふふっ…いち兄、パニック状態で必死で寝間着とシーツを隠したりしてましたね…」
「長谷部殿が来た時、私はシャワー浴びたばかりでびしょ濡れでしたが、秋田が誤魔化してくれました…あの後、私は主殿に謝りました…(恥汗)」
「ねぇ、これって…僕といち兄だけの秘密ですね…」
「そうですな…(恥汗)もう遅いようだし、明日の寝坊は裂けたいですな…おやすみ、秋田…」
「はい、おやすみなさい…zzzzz」
秋田藤四郎は目を閉じて眠りについた。そして、一期一振が顕現したばかりの頃の出来事の夢を見た。

続く