第21章 失くしたキミを探しに
第2話
チリン…
微かな鈴の音がした。
(此処は…学校?…)
たくさんの人で溢れかえった学校敷地内。季節は早春。弥生の半ばである。
(合格発表の…?)
期待と不安が入り混じって今か今かと待つ受験生ら。学校教師が合格発表の看板を掲示する。
(私の番号…あるかな…あ…!あった!)
「あった!やった!あった!」
「良かった!合格おめでとう!」
チリン…
再び鈴の音がした。
「良かった!皆不安な日々を過ごしたんだよ」
祝福の言葉を揚げる刀剣男士達。
「可愛い服期待してるよ!」
「うん…ありがとう…」
チリン…チリン…
鈴の音が2回鳴る。
「呆気なかったな…ふん、まぁいい…この俺こそが審神者に相応しいって事を証明してやる!女は審神者にはなれねぇよ!昔からそう決まってんだよ!…ふはは!はーっはっはっはっ!」
高笑いする男性の声が谺した。
チリン…チリン…チリン…
最後の鈴の音がした時に審神者は目を覚ました。
「─…」
「すまないね…手荒な真似をして…」
審神者が横を向くと、そこに居たのは石切丸だった。今にも泣き出しそうな憂い顔で審神者に詫びた。
「…此処は…うちの本丸と違うよね?」
「…ああ」
「やっぱり…でも…覚えがある…」
「そうだね…」
「…!この感じ…!彼奴だ…!燻(くゆら)!」
審神者は表情を険しくして、入り口を見つめた。
「ん?客か?」
宮司の服装の男性が審神者を見た。
「ほぅ…こんな所で出会うとはなぁ…なぁ、鐡?」
高慢な笑みで審神者を見つめた。
「─…っ(汗)…鐡は先祖様の名前…(汗)何故その名を?(汗)」
審神者は男性に問うた。
「ん?…何だ、人違いなのか?…ああ、失礼した…お前に似た奴を知ってるからなぁ…」
「えっ?!(汗)」
石切丸は絶句した。数百年以上前の人を知ってる人はもう存在しない筈だ。
「……」
審神者はスンッとした眼差しで男性を見つめたが、
「…あなたは此の世には存在してはならぬ者で御座いまする…」
と内なる怒りを込め、言い放った。
「…てめぇ…(怒)今、何と言った?(怒)」
「あなたが何者かは存じております…やんごとなき御館様を殺めたのは…他ならぬ貴方で御座います!」
審神者は真っ直ぐ見据えて話した。男性は激高して、
「…っ!(怒)おい!(怒)起きやがれ!小狐丸!(怒)」
と審神者の隣で寝ている小狐丸を蹴り起こした。
「…っ…(泣)…うわぁぁぁーん!(泣)」
起こされた小狐丸は赤ん坊のように泣き出した。石切丸は慌てて小狐丸を抱いて慰めた。
「主!(汗)小狐丸は任務出来る状態では無いんだよ?(汗)分かってくれ…(汗)頼む…(汗)」
「…この間もそう言った気がするが?(怒)」
「…あの…しょうがないので…いいです…」
審神者が言った。
「…そうか…?で、石切丸…いつだ?小狐丸の任務復帰は?それと…転送装置は如何した?」
「えっ?!」
男性に言われた石切丸は袂、帯を探った。
(しまった!(汗)落としてしまったか…(汗))
石切丸は殴られると思って目をぎゅっと瞑った。
一方、審神者の本丸にて。
「…審神者様が連れ去られた場所が分かりました!この転送装置のデータを照らし合わせておきました!」
こんのすけが懐中時計型の時空転送装置に記録された転送履歴を確認しながら話した。
「確かあの時代は…行方不明の女性審神者が…」
山姥切長義は審神者が連れ去られた時代を見つめた。
「まさか…!(汗)あの言葉…」
「あの言葉?」
「否、何でもない…それより、こんのすけ…頼みがあるんだが…」
小狐丸に問われた山姥切長義は冷静を装って、編成の要望をこんのすけに言った。
審神者が言った言葉が何を意味しているのか…
なりたい…なれない…なりたかった…
続く