第16章 あの頃の忘れ物(その8)
小狐丸はうずくまって泣きじゃくった。
「うぅぅぅ…っ(泣)最低じゃ…っ(泣)ぬしさま…っ」
「全く、阿呆だなんて、酷い事言いますね…(呆汗)大声で叫んでたら、その声は筒抜けですよ?(怒汗)」
妖狐の青年風の服装をした人物が立っていた。審神者だった。
「…シロちゃん…?って…ぬしさま…?(汗)…はっ?!…先程は申し訳ありませぬ…(汗)」
小狐丸は慌てて涙を拭った。
「謝らないで下さい…シロちゃん…そう呼ばれた事も確かにありましたね…幼少期は良いのですが…恥ずかしいので、正式に呼んでいただけたら幸いです…(恥汗)」
「銀…白銀蔵馬…妖狐蔵馬…くくく…(苦笑)」
小狐丸はそう言った後、腹を抱えて苦笑いした。
「小狐丸…!(恥怒)」
「ぬしさまを狙った理由…あったんですよ…」
「!」
「ぬしさまは男性に化ける事が出来るんですよね…」
「…小狐丸…」
回想
「zzzzz」
『狐童子が寝ていますので、参拝の際はお静かにお願いします』
チャリン…←賽銭を投げる音
ガランガラン…←鈴を鳴らす音
「zzzzz…うぅぅぅ…(泣)うぇーん…(泣)」
「いけない…!(汗)起こしちゃった…(汗)」
「うぇーん…(泣)」
「如何したのかな?起きちまったのかい?…おや、参拝者かな?だとしたら、あなたは合格祈願に来たみたいだね?」
「はい…公立高校受験日が近いので…この子…」
「狐童子ですか?本当は女の子なんですが…男の子に化けているので…」
「ごめんね?」
「…ぐす…(泣)」
「よしよし…いい子いい子…」
「…(嬉)」
「…(嬉)…」
「ぬしさま…?…寝てるんですか?(汗)」
小狐丸は審神者が目を細めて夢見心地の表情を浮かべているのに疑問を抱いた。
「ぬしさま?」
「…はっ?!(汗)…小狐丸…?…小さい頃、お姉さんに頭撫でてもらった事を思い出したんです…(照)」
「…」
「私は審神者に選ばれたけど…彼奴に記憶を奪われたあの日は正に地獄だった…(泣)」
「ぬしさま…(泣)」
「『嗚呼、貴方は神の犠牲に選ばれた…その為に生まれた…私は悪くない…だから永遠におやすみなさい…
貴方は荒ぶる神を鎮める力を秘めていた…だからこそ、神の犠牲に選ばれた…私は悪くない…だからこそ永遠に安らかに…おやすみ、神の犠牲よ』…っ…(泣)」
「…っ…ぬしさま…(泣)…」
「…私は言われるままに生きてたのかな…?(泣)」
「ぬしさま…(泣)…っ…(泣)」
「…5年もあなたを忘れたまま時を過ごした…(泣)立派な刀剣男士に変わったあなたが…そこに居た…(泣)大好きだよ…小狐丸…(泣)あなたは友達だから…(泣)」
審神者は涙を流しながら微笑んだ。