第15章 廃屋(中篇その14)
注意 ホラー要素あります(汗)
場面回想1
「いくつになっても、甘えん坊ね…小狐丸…」
「仕方ないんですよ…ぬしさま…あなたが、母親のように接してくれてるんですから…」
女性審神者が小狐丸の髪の毛を梳く。
「誰ですか?!やめて下さい!勝手に入らないで下さい!」
へし切長谷部の声がした。
「ちょっと!あんた!」
加州清光が追い出そうとしていた。
「ええい!退け!」
「やめてよー!帰って!」
「そうだ、そうだ!帰れ!」
門前払いする男士達の声がした。
「退け!」
抵抗も虚しく振り払われた男士達。ドカドカと階段を上がる音がした。そして、書庫の視聴機材をガサゴソする音がした。だんだんと近づく足音。それに気付いた小狐丸。
「ぬしさま…」
「ええ…彼奴だわ…」
審神者部屋まで来てしまった男性。
「久しぶりだなぁ!姉貴…」
「何なんですか!貴方は!」
対応する小狐丸。
「退け…」
「何をなさるんですか?やめて下され!」
無理やり入ろうとする男性を止める小狐丸。
「うるせぇ!退け!」
「退きませぬ!」
「退け!」
「退きませぬ!」
「いいから、退け!邪魔だ!」
「あっ…!」
押し倒された小狐丸は床に転んだ。
「姉貴ぃ…審神者職、譲れよ…」
男性は手にした大槌を振り上げた。その時、オープンリールから金属音が流れた。それに合わせ、大槌を振り下ろし、女性審神者を襲った。
「ぬしさま!」
小狐丸が叫んだ。時すでに遅し。何度も大槌を振り下ろす男性。血飛沫が飛ぶ。
「ああ…ああ…お願いですから…やめて下さい…」
小狐丸は恐怖で腹這いのまま咽び泣いた。
「死んだか…呆気なかったな…ふん、まぁいい。俺こそが審神者に相応しいって事を証明してやる!女は審神者にはなれねぇんだよ!」
男性がそう言ったその時、
「何だって?!」
薬研藤四郎の声がした。
「誰だ!…気の所為か…」
そして、恐怖でガクガクブルブルと震えてた小狐丸に近寄り、
「おい、お前、小狐丸と言ったな?その事は他言無用だからな!」
と話した。
「は、はい…」
恐怖で泣きそうになった小狐丸。
「…」
男性はそばにあった葛籠を見た。そして、中を見ずに審神者部屋を去った。
「…っ…っ…っ」
小狐丸は恐怖で声が出なかった。
「小狐丸…?」
もうすぐ高校生になる少女が小狐丸に近寄った。金属音のせいでフラフラと歩いてきたようだ。
「そろそろ帰るから、挨拶したいけど…」
「…っ…っ…っ!」
小狐丸は咄嗟に少女の腕を掴んで、玄関まで走り、草履を履き、本丸を出て、脇目も振らず走り出した。少女も慌てて靴を履き、小狐丸に手を引かれたまま走り出した。
続く