刀剣乱舞小説15 | 美桜@マユのブログ

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刀剣乱舞小説
第11章 全てはそこから始まった(完結篇)

お互い正面を向けたが、小狐丸は再びそっぽを向いてしまった。
「最初に言っておきますけど…私、コレなんです」
審神者は耳を塞ぐ仕草をした。
「えっ?」
「それ故に、言葉が解らないのです。見えません…あなたの言葉が…何を言ってるのか、解らないんですから…こっちを向いて下さい」
「出来ませぬ!」
小狐丸は首をブンブン振って拒否した。
「何故ですか?」
「あんな事っ…!」
「刺抜きしてあげただけですが?」
「何故…こんな気持ち…分からぬ…!」
小狐丸は顔を赤らめて泣きそうな声で話した。とうとう目から涙が溢れ出した。
「ぬしさま…申し訳ありませぬ…ぬしさまが怖くて…逃げてしまったのです…申し訳ありませぬ…」
子供みたいに泣きじゃくる小狐丸に対して審神者は
「…泣かないでください…あなたの気持ち痛いほど分かりましたから…」
と小狐丸の頭を撫でた。
「小狐丸…全てはボタンから始まったって話、知ってます。周囲の人々が様々な災難に遭うんです。それと似たような出来事が本丸内で起きました」
ギクッ!と反応した小狐丸。
「ぬしさま…もしや、私の…所為でありますか…?」
「そうだろうな(怒)」
小狐丸の背後から怒りが混じった声がした。恐る恐る振り向くと、和泉守兼定が腕を組んで仁王立ちしていた。
「やっぱりてめぇか…小狐丸(怒)シーツをめちゃくちゃにしやがったのは…(怒)」
「和泉守殿…!申し訳ありませぬ!」
「小狐丸…馬を怒らせたようだね?その所為で清光が彼方へ飛ばされたんだよね(怒)」
「大和守殿…!」
大和守安定がニコニコ笑うが、目は笑ってない。
「白い布の化け物、あんただったのか?」
「おかげで脚立がぐらついて、ペンキ無くしちまったぜ…」
「厚殿…!後藤殿…!」
厚藤四郎と後藤藤四郎が言った。小狐丸はガクブルと震えた。
「どう説明してもらおうか(怒)」
「鶴丸殿…!」
まだペンキが残っている白髪の姿で鶴丸国永が怒りをあらわにした。
「鶴らしくなったとは言え、ペンキだらけで気持ち悪かったぜ…」
「申し訳ありませぬ!」
許さない
「主、例のやつを頼む」
「えっ?ぬしさま?何をなさるんですか?」
お仕置き╬

バシ☆

雷のような平手打ちの音がした。

夕餉時、小狐丸の頬に紅葉のような跡が出来ていたのか、笑う男士、チラチラ見る男士がいた。

小狐丸が初めて本丸の内番をする日、全てはそこから始まった。審神者を恐れ、逃げ出した時から…