昨夜は、期せずして涙が溢れるのを抑えられなかった。 空中ブランコ収録最後の短編「女流作家」のラスト7ページ(p276-p282)が余りにも心に迫ってきた。渾身の作品が作家自身の予想に反し売れず、それ以来、自分を偽り恋愛ものを執筆する日々。 が、トラウマとなり自分を評価できなくなり、自信も失くし、嘔吐症と強迫観念症に悩まされる。。。ラストで親友の映画関連雑誌編集者の心からの嘆きに自分の小ささ、そして、自分が本当に書きたいものに改めて気付かされる、といったラスト。 是非、読んでみてください、いいです。 最後に、看護婦マユミちゃんの以外な素顔が垣間見れるのもいい。
物語を通じて、無意識に精神科医伊良部一郎と羊たちの沈黙に代表されるDr.レクターを比較していました。勿論、キャラクターは一見正反対、伊良部は大病院、医師会重鎮の息子で病院のあととりのマザコン、ほしいものはお金で買えるものは何でも手に入る。一方のDr.レクターは東欧の貧困な国で幼くして両親をなくし、頭の切れと機転で医師となった。非常に対照的である。Dr.レクターは芸術・美食とカニバリズムと言う狂気の喜びを至上としている(丸で、神と悪魔双方を崇拝している感じ)。片や、伊良部はその言動で人を食う。 共通点はどんな場面でも他人を恐れることがなく、自己欲望追求型の性格と精神科医であること。
両物語を通じて綿々と伝わってくるのは「人間と本質、そしてあくなき(生きている)喜びへの探究心」。精神科医は見えなくなっているもの、無意識・故意に目を背けている内なる自分を映し出す「鏡」として登場している。その鏡にも性格を与えるべく強烈な個性を与え、物語の絶妙なバランスを保っている。。。正に、「○○と天才は紙一重」。。。
Dr.レクター3部作はペーパーバックも全て読みました。 Stephen King同様、Thomas Harrisは魅せられた作家の一人です。通常、本に最初に出会い映画化されると、どうしても映画化された方が「いまひとつ」・・・というパターンが多いような気がします。が、ことDr.レクターシリーズは映画化もいいです。アンソニーホプキンスが余りにもはまり役と言うのもあると思いますが。そして、映画化の方がいいと思うのは「ハンニバル」のエンディングです。 原著では、何とスターリンとDr.レクターが結ばれ逃避行・・・ん~・・・。確かに、Dr.レクターのスターリンに対する純粋な愛もサブテーマになっていた気もしますが、ちょっと、違うかなぁ。 でも、羊たちの沈黙でのジョディーフォスターの演技力には感嘆しました。


