29.パロマ湯沸かし器ガス中毒事故(F+Gタイプ)

                        文献48参照                    

(概要)

パロマ工業が197847月に製造した屋内設置型のFE式瞬間湯沸かし器について、排気ファンの動作不良を原因とする一酸化炭素中毒事故が19851月から20年間で28件発生し、死亡21名、重軽傷29人を出した。1992年に事故について知ったパロマ社は社内と関係業者に通知したが消費者には通知しなかった。また28件のうち13件は関連会社の不正改造または製品自体の劣化によるものだと判明した。

関係者2名が業務上過失致死傷で一審有罪となった。

(問題点)

27の例と同様、製造者と修理者が異なる点に問題の発端があった。

また、松下電工の電気暖房機のケースと違って消費者に対して積極的な告知をしなかったのが問題であり、パロマの業績不振の原因となった。

しかし一方、電気製品などにも寿命というものがあるから、いつまでも安全を保障するということは無理であろう。製品の使用期限を表示すべきである。20年も前の製品について全世帯に手紙を送ったり、400億円もかけてCMを打つのは企業イメージのアップにはつながるが、社会的コストの観点からは非効率的といえよう。