わが国は少し前まで研究費が少ない国だった。

しかし10年ほど前から科学技術国家構想かなにかしらないが、政府からの研究費も潤沢になり、企業からも潤沢になった。ひとりで年間1億円もらっている研究者がはいて捨てるほどいる。

だが、それはいいことだけではない。今回の原発事故で明らかになったように、原子力村は科学技術庁系と資源エネルギー庁系で学閥までからんで醜い癒着の状況を生んでいる。あまつさえ、原子力の怖さを発言する科学者は助教どまり。西山審議官や石破議員の娘が東京電力に就職できたのも怪しい関係を思わせる。

これはほかの分野でもあてはまる。たとえば、赤十字と輸血学会の関係。赤十字は金は提供していないが、天下りポストや子女の就職を提供できる立場にいる。事実輸血学会長の子供が就職していたという記事があった。

ことほどさように産学官協同なんていうのはまことに国民にとっては困ったちゃんである。

戦前は人文科学の分野ではあるけれども、滝川事件や美濃部博士の天皇機関説など、ありは戦後でも東大ぽポロ団事件など学問の自由と独立が重んぜられたが、研究に金のかかる自然科学の分野ではだめらしい。」なげかわしいことである。