14.イージス艦「あたご」衝突事故(Bタイプ)
文献54参照
(概要)
2008年2月19日4時6分、東京湾で海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」が衝突し、漁船は真二つにさけて大破沈没した。清徳丸の船長と乗務員の2人が行方不明となり、5月20日に死亡認定された。
海難審判では、あたご側の監視不十分とされたが、清徳丸側も警報を行わなかったと認定された。「あたご」のレーダーのシミュレーターが5隻しか表示できないことも原因の一つにあげられた。当直仕官2名が業務上過失致死で起訴された。
(問題点)
20年前の「なだしお」事故の教訓が生かされていない、というか忘れ去れたといったほうが適切であろうか。船どうしの衝突事例ではつねに看視や回避の責任がどちらにあるかが問題になるが、結論は双方ということであるが、事故の被害は小さな船で大きいわけであるから、大きな船により強力な看視体制が求められる。