なかにし礼さんをご存じだろう。1938年に牡丹江市(旧満州)で生まれ、立教大学文学部を出た後、作詞家として活躍した後で『長崎ぶらぶら節』で直木賞を受賞した人だが、この人が食道ガンに見舞われた。
その体験を『生きる力、心でガンに克つ』(講談社)に書いているのだが、酒といえば、DVDを観ながらアイレイ・シングルモルトのウイスキー1本槍で、つまみはチョコレートがあれば十分だという。なにしろ45%、53%、58%というのを飲むのだから、これでは食道をやられるのも無理はない。
この経過をいろんな文士の語った話を織り交ぜながら語っているのだが、これがなかなか読みごたえがある。日本ばかりでなく、カフカ、ドストエフスキー、トーマス・マン、カミュなどの文章も引いていて、これらの人々の言葉にも精神的に助けられたという。これらによって「生きる力」を得たというのだ。
ガンで悩んでいる人は是非とも読まれることをおすすめする。
