変わりゆく出版事情 | 山本祥一朗の酒情報

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出版界もここ数年で大きく変わりつつある。週刊誌は、『がん』を書いた大橋巨泉によると「週刊現代」と「週刊ポスト」が反体制派、「週刊文春」と「週刊新潮」が右寄りということだが、近頃ではそうでもなくなった。

何しろお笑い芸人の本が250万部を超えたとか、幼児殺人者の手記がよく売れたなどの話題が続発している。

岩波書店といえば老舗中の老舗で、カタイ本では定評のあった版元が、お笑い漫才の本など出したかと思えば、最近では新聞広告などをしきりに出すようになった。

藤原紀香というモデル上がりの女優が話題を集めていた頃に『藤原主義』を出し、さらにお笑いタレントと結婚した際には結婚式の引き出物に間に合うようにと『紀香魂』を出した幻冬舎は、彼女が離婚した話の本を出すつもりはない。もうすっかり話題を集めなくなった女優では売れないのだ。

ところで酒の本だが、この話は長くなるのでいずれ別の機会に書くとしよう。
(左が週刊誌評を書いた大橋巨泉の本、右が岩波書店の本のカット)