すべては愛飲家、消費者を思っての発想 | 山本祥一朗の酒情報

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ここにあるコースターは、かつて灘の大関が愛飲家の集まりの折にグラスの下に敷いていたものである。これは気が利いていてわかりやすいと思い、持ち帰ったものである。陶磁器の酒器では下に置けないので並べることになるが……。

もう一つの漫画は、当時の社長だった長部文次郎氏が描いたもので、これもまた愛飲家を思えばこその漫画ということになろう。

この他にも同氏は、何かと新しいアイデアを打ち出してくれた。ワンカップを発売したのもこの人で、今では小容量のものを出すところは多いが、当時は「灘の大手がコップ容量の酒とは!」と非難するところも多かった。何かにつけて先駆けることには風当たりも強い。

ただ、これらが愛飲家、消費者を思っての発想から出たことで、先見の明として今に注目されているのだと思う。