かつて酒の評価をした3人のその後 | 山本祥一朗の酒情報

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「日本一の地酒が決まった!」などと派手にキャンペーンを張るなどして、酒の評価を展開する人たちがいた。穂積忠彦、立教大学教授の船戸英夫、それに作家の稲垣真美の三氏である。

穂積氏とは、ウイスキーのカラメル着色のことで紙面で私と論争したことがあったが、晩年はすっかり穏やかになられ、10年以上前に逝かれた。船戸氏からは、山陰の地酒のことで訊かれるなどあったが、この人もすでに鬼籍に入っている。稲垣氏は私よりひと廻り年上だが、昨年早々から香港へ移住され、名前も稲垣太瑚と改められた。

ただ、この三氏が活躍の頃に、「いくらかお出しになれば、良い評価で記載します」と言われたという何軒かの蔵元や、酒の流通が言っているのを耳にした。この裏事情でも書ければ面白いのだが……。

写真は晩年に人柄も丸くなられて、あるパーティでのスナップ。この2年後に逝かれた。